課題解決、魅力づくりをサポート
JTB商事は、さまざまな商品・サービスを提供して、お客さまの「課題解決」「魅力づくり」のサポートをしている会社です。コロナが猛威をふるっていた2021年4月、私は社長に就任しました。その時に、まず考えたことは、主たるお客さまである宿泊施設の皆さまにどのように向き合うかでした。取り巻く環境は厳しく、対面で会うこともままならず、いつコロナが収まるか、この先どうなるのか、誰も分からない状態でした。考えた末に、社員に伝えたのが標題の言葉です。「寄り添う」ことが、当時の事業推進にピッタリな姿勢だと信じたのです。以来、今に至るまで、この言葉は当社の営業指針となっています。
「寄り添う」と課題を共有できます。宿泊施設の課題はここ数年で大きく変化しました。コロナがまん延している期間はとにかく「安全安心」、最近は何と言っても「人材不足」です。他にも「SDGs」「DX」「インバウンド」「労務」「カスハラ」等、課題が多様化しており、しかもそれぞれが絡み合っていることが、今の特徴です。この状況から、課題解決策も多面的に考える必要があると思っています。例えば、布団からベッドに客室仕様を変更することは、インバウンドや高齢者への価値向上にもなり、従業員の負担を軽減する人材不足対策にもなり得ます。
当社の特徴であり強みは、全国にリアル営業拠点を展開していることと、多岐にわたるソリューションからワンストップで顧客に向き合えることです。それぞれの宿泊施設により、最適な商品・サービスは異なります。直近では、外資系ホテルを中心に、オペレーション変更に伴うリブランドが増加し、関係するステークホルダーから、短期間での商品・サービス提供の要望が増えてきました。当社は、日々変化する市場と正対し、文字通り「寄り添う」ことで理解を深め、今後もさまざまな提案をしていきます。
先日、JTB協定旅館ホテル連盟とJTBは、「サステナブルツーリズム・パートナーシップ共同宣言」に署名しました。この観点はこれからますます重要になってきます。地域での横連携、環境への配慮、働きやすい職場づくり、これらを実現するには、大切にすべきことは守り、新しいことには積極的にチャレンジするメリハリが必要です。ニューノーマル(新しい常識)が生まれ定着していく時代だからこそ、これまでの慣例にとらわれずに、まだまだやれることがありそうです。日本のおもてなしは世界一で、それをフロントで支えている宿泊施設は日本の宝です。私たちはこれからも業界に貢献していきたいと考えています。
JTB商事 代表取締役 社長執行役員 加藤雄次氏