能登半島地震からの復興
今年1月1日に発生した能登半島地震において、能登半島全域、そして富山県では唯一能登半島に属する氷見も甚大な被害を受けました。現在、復興に向けて歩んでいます。
石川県の犠牲者は建物倒壊などによる直接死229人を含め、その数は累計で318人となる発表がありました。公費解体も4%程度と進んでいません。いまだに2千人近い避難者の方々が心身ともに苦しんでいます。
そんな中、私たち富山県の氷見市観光協会や氷見市内の各種団体で構成する「氷見救援隊」は自ら被災しながらも、能登半島全体に支援を続けています。
氷見市は富山県内でも最も多い6千棟余りの住宅に被害が出たほか、観光業にも多大な影響が出ましたが、現在は市内全ての観光施設が営業を再開しました。
また、被災住宅の2次避難も完了し、市内緊急避難所も解散しました。そして7月11日には氷見市において、待望の海開きもいたしました。
新型コロナが感染法上の「5類」に移行した昨シーズンは氷見市島尾海水浴場だけでも7万5千人の来場があったことを確認しています。今シーズンは能登半島への応援の期待もあり、8万人を目標にしました。能登半島の玄関である奇麗な氷見海岸を訪れて、皆さんに楽しみながら支援していただくことを期待しています。
また、「海中熟成酒」にも取り組んでいます。氷見市の海底に昨年12月にお酒を沈め、3カ月間熟成し引き揚げ、3月24日に氷見市漁業文化交流センターでお披露目試飲会を開きました。地震の影響が心配でしたが、沈めた日本酒、焼酎、ワイン、梅酒は無傷でした。
埼玉県さいたま市大宮地区と氷見の連携事業であるこの「海中熟成復興絆酒」は被災地の観光を盛り上げるためにも拡大していきたいと考えています。
お披露目したのは水深15メートルの地点に沈めた「3カ月物」の日本酒、焼酎、梅酒。氷見沖500メートルの地点で熟成させた結果、酒瓶にはフジツボが付着し、海中で熟成させた風合いが伝わるものでした。
海中に沈めると熟成が約4倍早まり、まろやかな口当たりになると聞いていましたが、実際、出席者からは「角がとれて、濃くて深みのある味わいだ」と大変好評でした。この企画も被災地・氷見の復興の元気の源にしていくつもりです。
より良い観光の促進と推進は、より良いまちづくりと確実に復興につながるよう、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
氷見市観光協会会長 松原勝久氏