【VOICE】サステナブルツーリズムと節水 一般社団法人日本節水協会理事長 株式会社アースアンドウォーター代表取締役 山中正美氏


一般社団法人日本節水協会理事長 株式会社アースアンドウォーター代表取締役 山中正美氏

消費者とのパートナーシップが鍵

 節水による水資源の有効活用は、日本国内にとどまらず、世界的に求められるようになりました。

 しかし、節水業界には業界団体が存在せず、統一基準や認証制度がないため、製品やサービスの信頼性などの評価が困難であり、技術革新が進みにくいという課題がありました。

 こうした状況を解決すべく、当協会は2021年5月10日に「一般社団法人 日本節水協会(JAWS)」を設立し、業界のさらなる発展と社会貢献を目指し、持続可能な社会の実現に向けた活動を行っております。

 近年、観光業の水使用量においては、宿泊施設、飲食店、アクティビティ施設など多岐にわたり大量の水が使用されています。

 特に、国内の離島では観光への需要が高まっている半面、島全体の「水不足」が懸念されている状況もあることから、行政と事業者が連携した「節水」が地域環境の保護と持続可能な観光に直結すると考えています。

 節水対策においては、節水器具の利用が比較的低コストで導入可能であり、その効果は水道使用量の削減に加え、エネルギー使用量やCO2排出量の削減が期待できるとして有効な手段となっております。

 サステナブルツーリズムの観点では今、事業者と消費者がパートナーとなって環境保護を推進する時代となっており、その鍵となるのが「貢献度の見える化」です。

 例えば、宿泊したホテルのチェックアウト時に、宿泊中の水道使用量やエネルギー消費量が示されたレポートを提供することで、「貢献度の見える化」を実現します。

 さらには、宿泊者個人の削減量を数値化し、宿泊者自身がSNSで「サステナブル貢献度」として発信することで、サステナブルツーリズムにつながる行動が世界的に広がる効果も期待できます。

 また、次回の旅行時に、より環境負荷の低い宿泊施設を選択することが促進され、事業者側も「環境配慮型施設」としてのブランディング強化につながると考えております。

 このように、宿泊者と施設が一体となって環境保護に貢献することが、より広範囲での持続可能な社会の実現につながると思います。
 現在、当協会にもさまざまなご相談やお問い合わせを事業者さまから頂いていることもあり、情報提供やサポートを通じて、この動きを積極的に後押ししていく所存です。

 
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