【VOICE】ニーズに対応した提供を整備 かりゆしグループ オーナー会長 平良朝敬氏


かりゆしグループ オーナー会長 平良朝敬氏

ニーズに対応した提供を整備

 1962年10月琉球政府の時代の那覇市若狭の埋め立て地に、父、平良盛三郎と母、スミ子により、客室14室で「沖之島観光ホテル」の看板を掲げたのを皮切りに、現在は客室合計924室、計7ホテルと、九つのグループ企業の運営をするかりゆしグループへと成長致しました。

 しかし、2020年に新型コロナウイルス感染症のまん延により、沖縄県は入域観光客数301万人(うちインバウンドは0)、経済損失額は6482億円となり、沖縄観光はアメリカ同時多発テロ(9・11)や重症急性呼吸器症候群(SARS)など、これまでも外的要因による落ち込みはありましたが、今までにない大打撃を受けました。わが社でも例に漏れず深刻な影響を受けておりますが、その中、21年4月より日本航空より現役客室乗務員兼人材育成に携わる方の出向を受け入れ、ホテルスタッフの接客力向上、人材育成強化を進め、質の高い沖縄観光の魅力向上へつなげていけるよう動き始めています。

 同年7月には世界遺産を審査するユネスコにて「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の登録を決定しました。2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として九つの史跡が登録されております。日本で唯一の亜熱帯である沖縄のヤンバルの自然と、450年にわたって存在した王国の文化をうかがえる史跡を含めて、沖縄のアジアの中心に位置する地理的優位性(沖縄を中心に円を描くと、3千キロ圏内に人口20億人の巨大マーケットがあります。台湾、韓国、上海、タイなど)、独自の歴史や伝統と文化に加え、世界遺産登録されたように豊かな自然の魅力は、沖縄観光に追い風となる吉報となりました。

 22年、沖縄が日本復帰50周年を、わが社が創業60周年を迎える今年、早い周期で変異する新型コロナウイルス感染症との共生への模索、感染予防に努めながら経済活動もようやく再開されました。さらにコロナを通し、人々の働き方やライフスタイルなどの変化が急速に進んだことで、ニューノーマルへの対応力、従業員の人材育成、サステナブルな観光地としての魅力創出、SDGs普及活動、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進などを通し、わが社として運営ホテルの魅力度をより一層高めるべく取り組み始めておりますように、観光業界では個々の努力を重ねております。

 行政の協力、連携も含め、これから観光需要が回復した際には、ニーズに対応した提供が整った観光地として選ばれる沖縄にすべく前進していきたい。

 

 
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