「祭り」復活を
2年連続で祭りのない夏が続いた。
株式会社オマツリジャパンは「祭りで日本を盛り上げる」をミッションに掲げる、祭り専門のサポート会社だ。
社名の通り、常に祭りとともに会社があったため、2年連続での中止はさすがに事業的にもメンタル的にもこたえた。
ただ、今年の10月に緊急事態宣言が解除されたことにより、「祭り」や「観光」に関する話題が圧倒的に増えた印象だ。
オマツリジャパンにも、「ラジオで祭りに関する話をしてほしい」「ニュース番組で祭りのデータを使いたい」「スポーツイベントに祭りを呼びたい」などの問い合わせが増え、日本中が祭りを求めているように感じる。
その中で、「これから祭りは復活していくのか?」と聞かれることも増えた。
結論としては、これからの日本は間違いなく、祭りが元に戻り始める。
完全に元通りになるにはまだ時間がかかり、少なくとも2022年は感染症対策を施した上での開催になると思われるが、徐々に復活していく上に、私はさらに新しい祭りも多く出てくると予想している。
なぜなら、祭りはコロナ禍で失われた「人と人の絆」を取り持つものだからだ。
祭りにもいろいろな形があるが、共通して言えることは「人が集まる場」であるということだ。
元々出会いの場であり、交流の場の役割も持っていた「祭り」は、コロナ禍が明けたら改めて価値が見直されるはずである。
オマツリジャパンも11月13日、14日に、東京タワーで「座盆祭」という和文化イベントを主催するが、これは参加者が実際に踊りに参加できるものだ。祭りが開催できるということが飛び上がるほどうれしく、この祭りを復活の狼煙(のろし)としたいと強く思っている。
2年連続の中止で、残念ながら消えてしまった祭りも多くあるが、私たちはこれから新たに芽を出す祭りにも希望を持っていきたい。
このような未曾有の事態の後は、必ず反動が起こるはずである。
焼け野原に新たな芽が芽吹くように、今の時代に必要な祭りがたくさん生まれるだろう。
ワクチン接種が進み、コロナの終息が見える諸外国では「リベンジ消費」なる揺り戻し現象が起きている。
日本でも同様の現象が起き始めているが、最も象徴的に起きるのが私は来年の春だと考えている。
桜の季節である。
今年、昨年と、お花見のない桜の季節を誰しも寂しく思ったはずだ。
来年の春は、晴れた日に、桜の木の下でビールでも飲みながら笑っていたい。
加藤氏