【VOICE】和歌山・日高の民泊交流の現状と将来 紀州体験交流ゆめ倶楽部 事務局長 上山勝士氏


紀州体験交流ゆめ倶楽部 事務局長 上山勝士氏

受け入れ家庭増目指す

  私ども一般社団法人紀州体験交流ゆめ倶楽部は和歌山県のほぼ中央に位置する日髙地方(御坊市、美浜町、日高町、由良町、印南町、みなべ町、日高川町)を拠点に教育旅行を中心に事業を展開しています。それまでは日高地方の各市町がそれぞれに教育旅行等の誘致を行っていましたが、今後大規模校の受け入れを可能とするため、各市町が支援する形で令和3年に任意団体として紀州体験交流ゆめ倶楽部が発足し、翌令和4年に一般社団法人化、現在に至っております。

 当地域は少子高齢化による人口減少が進み、有名な観光地が少ない中で、梅、備長炭など地域の特産物を生かした体験型観光や、合併以前から一部の町で実施していた民泊事業を基軸に事業展開しています。

 令和3年および4年度はコロナ禍の影響で民泊がほぼ停止状態でしたが、令和5年度から回復、事業を運営する中で、改めてこの事業を継続することの必要性を感じました。それは現在家庭において失われつつある家族間の団らん、受け入れ家庭と協力して食事の準備をしたり、一緒にゲームをしたりすることが、今や非日常的でかけがえのない経験となり、退村式においては心温まる感動的な場面が多く現出されています。そうした民泊事業がもたらす教育効果は関係者に高く評価されていると感じています。

 とはいうものの、数年先の事業継続の見込みは立っていますが、その後も持続可能なのかは、未確定な現実があります。

 現在、私どもの民泊受け入れ家庭は約70軒で、120人規模の受け入れは可能ですが、安定した事業運営のためには200人規模の受け入れを実現していかなければならず、そのためには受け入れ家庭の拡充が必須条件となってきます。いかにして新規受け入れ家庭を獲得できるかは最重要課題であるものの、少子高齢化により分母が減少していく中、容易なことではありません。

 私ども紀州体験交流ゆめ倶楽部は発足して3年余の若い組織です。したがってその存在がいまだ地域に浸透していない現状があり、まずは地域の皆さんにその存在を知っていただく必要があると考えました。

 そのために今やれることとして、地域の方々が集まる所へできる限り参加し、紀州体験交流ゆめ倶楽部の活動や理念を少しでも知っていただく努力をする必要があると考えています。またそうした活動から多くの方々と関係性を構築し、新規受け入れ家庭の獲得につなげ、民泊受け入れ事業を持続可能なものにできるよう鋭意取り組んでまいります。

 
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