道後温泉本館 全館営業再開
松山市には、3千年の歴史を持つ日本最古といわれる道後温泉があり、国の重要文化財の道後温泉本館は、平成31年1月から営業しながら保存修理工事を行い、いよいよ今年7月11日に約5年半ぶりに全館での営業を再開します。多くの方々に松山まで来て、観て、楽しんでいただけるよう「魅力発信」と「おもてなし」で受け入れ環境を充実したいと考えています。そうした中、協会では「MICE推進」「国際交流」「観光・物産振興」を重点的に推進していくこととしています。
まず、「MICE推進」では、開催件数がコロナ禍前の水準まで回復したものの、会場の減少などもあり、誘致に関する考え方を整理する必要が出てきました。そこで、今年の3月に「MICE指針」を策定し、課題を整理した上で「松山の魅力を活かした開催支援の充実」や「プロモーション強化」「地域が一体となった受入体制づくり」を進めることとしています。
昨年度は、愛媛大学の先生方のご尽力で開催が決定した国際会議が大きなレガシー効果が期待できるという評価を受け、JNTOの「2023国際会議誘致・開催貢献賞(誘致の部)」を受賞するといううれしいニュースもあり、国際会議の地方開催に大きな可能性を見いだすことができましたので、今後も地元への経済効果の確保やSDGsの推進に取り組み、主催者や参加者の皆さまにとって快適で思い出に残るMICEになるよう努めてまいります。
「国際交流」については、友好交流都市の台北市での「ランタンフェスティバル」への出展や「台北温泉まつり」で道後のおみこし4基の鉢合わせを披露するなど、長年にわたり官民の垣根を越えた交流を重ねてきました。
今年は、松山市と台北市の友好交流協定締結10周年を迎えることから相互に誘客を図り、交流人口の拡大に向け取り組むこととしています。
「観光・物産推進」では、マドンナ大使による観光キャンペーンや仙台市で観光・物産展を開催し東北からの誘客を図るとともに、市内の駅や港など5カ所に設置している観光案内所での旅ナカ情報の発信や、道後温泉や松山城でのボランティアガイドによる案内など、増加する観光客の受け入れ環境の充実を強化していく予定です。
観光業を取り巻く環境は、人手不足や都市間競争の激化、旅行形態の変化など大きく変化しています。今後は、旅行業者、宿泊事業者、交通事業者などの地元ステークホルダーの皆さまとさらなる連携を行う中で協会の事業を検証し、選ばれる都市「松山」に向けて取り組んでいきたいと考えています。
公益財団法人 松山観光コンベンション協会 事務局長 窪田勝彦氏