JNTOの活用を
コロナ禍により観光産業は厳しい状況が続いていますが、ワクチン接種が進み、通常の生活への道筋も見えつつあるものと感じています。まずは国内観光の再開、そして段階的なインバウンドの再開に向けて、JNTOでは、着実に準備を進めています。この中で、私が特に意識しているのは、JNTOのネットワークを最大限に活用した、双方向での「連携」です。
まず、9月14、15日にJNTOの賛助団体・会員の皆さま向けにインバウンド旅行振興フォーラムをオンラインで開催しました。海外事務所長による各市場の最新情報をお聞きいただき、とても有意義だったというお声を多数頂戴いたしました。JNTOの22の海外事務所ネットワークと地域の皆さまを直接結び、前回に続きオンライン相談会も実施されました。
フォーラムとは別に、テーマ別セミナーも定期的に開催しています。例えば、パリ・フランクフルト事務所のセミナーでは、コロナ禍でSDGsへの意識が非常に高まり、旅行先の選択基準になりつつあることが紹介され、視聴された方々から非常に役に立ったというお声を頂戴しました。
また、シンガポール事務所からは、日本への来訪を待ちわびて疑似体験を楽しんでいる様子が伝えられ、日本への訪問意欲が依然として高いことをお伝えできました。
日本の地域、企業の素晴らしい取り組みを海外に情報発信し続けることも、アフターコロナに向けて非常に重要だと考えています。海外事務所では、毎週、日本各地の観光コンテンツをSNSで各国の言語で発信しています。オリンピック・パラリンピック東京大会では、日本に注目が集まることを活用して知られざる地域の魅力や多様なアクティビティ、アクセシブルツーリズムの取り組みをメディアに訴求、日本が旅行先としての評価を高められる情報発信を行いました。新たな取り組みでは、日本各地の今をライブツアーで英語圏諸国に発信する事業を8月から実施したり、今年度後半から地域の観光産業への支援の意味も込めて中国市場を対象にEコマースによる地域産品の物販を絡めたオンラインライブツアーを実施していきます。
JNTOは日本の魅力を海外に発信する組織です。質の高い情報発信は、地域の皆さまの地域の観光資源の磨き上げとあいまって実現できます。どのような磨き上げが必要か、セミナーや相談会などを通じて地域の皆さまと共に考えていく体制を整えていきたいと考えています。世界の皆さまが日本を訪れていただける日のために、地域の皆さまとJNTOとの連携をさらに増やしてまいりますので、これからの活動により一層ご注目ください。
佐々木氏