【VOICE】新潟ガストロノミーツーリズム 新潟県観光協会 マネジメントチーム 課長 櫻田哲也氏


新潟県観光協会 マネジメントチーム 課長 櫻田哲也氏

新潟の食をおいしく体験する旅行者を増やそう

 今、新潟県では食文化を生かした観光地づくりに力を入れています。2017年ごろから「ガストロノミー」をテーマに取り組みを行っていますが、これは、食のおいしさだけでなく、素材の魅力をはじめ、豊かな自然、地域の文化、食を支える産業などのストーリーとともに、食を味わう体験として磨き上げ、深化させていこうというものです。

 実は、私自身は静岡県出身者ですが、新潟の海、山、川、里の幸にはとても引かれるものがあります。全国3万人以上の消費者調査によるブランド総合研究所「食事がおいしい都道府県ランキング」において、2022年に4位となっており、食のおいしさは全国民の知るところです。しかし、同研究所「都道府県魅力度ランキング」では、2022年は25位、またリクルートが発表する「じゃらん宿泊旅行調査2023」においては、数ある部門で一つもTOP10に新潟県の名前が出てこないのです。つまり、新潟の食はおいしいという認知を多くの方が持っているのですが、それが新潟県への旅行動機になりきれていない現状があります。

 でも!やっぱり食の魅力は他県にはないものがあり優位性がある!私はそう思っています。そこに焦点を当て、しっかり「食文化を生かした観光地づくり」に取り組んでいこうと始まったのが、ガストロノミーというテーマであり、その事業として、「新潟プレミアムダイニング」と「新潟ガストロノミーアワード」を開催しました。

 新潟プレミアムダイニングは、2019年にスタートした取り組みで、シェフたちが、歴史的建造物などで腕を振るい、各地に根付く風土や文化、歴史を「食」を通じて体験できる特別なイベントです。普段は食事のできない場所でシェフが特別な一皿でおもてなしする姿はまさにプレミアム。ガストロノミーという概念を体験できる貴重な空間&時間だと思います。

 また、新潟ガストロノミーアワードは、2022年に創設されたもので、地域の風土や文化、歴史を料理に表現する「ローカル・ガストロノミー」を具現化した、県内の飲食店や宿泊施設、特産品を表彰した取り組みです。私どものような機関が県内の飲食店などを忖度(そんたく)なくリストアップすること自体、今までできなかったことですので、ある意味、斬新な取り組みだと考えています。周囲の反応も良く、アワードにちなんだ旅行商品も造成されました。こういった取り組みを通じて、食を目当てに新潟に来てくれる旅行者が増えていくことが理想です。

 あのレストランに行きたい、あの食を味わいたい、そういった食文化を生かした観光地づくりを引き続きやっていきたいと考えています。

 
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