【VOICE】目指すは北の山岳リゾートタウン 北海道上川町長 西木光英氏


北海道上川町長 西木光英氏

雄大な自然観光生かした町づくりを

 北海道上川町は日本最大の国立公園である「大雪山国立公園」の玄関口として、また、北海道の母なる川「石狩川」の源流の町として層雲峡温泉をはじめ自然資源が豊富で、四季それぞれの移り変わりを五感で体験できる町です。

 本町は1954年の洞爺丸台風によって、森林がほとんどなくなるという大きな被害を受け、その倒木処理にやってきた人たちによって4200人ほどだった人口が一気に3倍以上に膨れ上がりましたが、一時的に急増した人口は、倒木処理を終えると一気に減少しました。

 木材は有限。けれど大雪山の自然や景観は決して減ることのないこの町の大きな資源であり、それを生かせるのは観光だろうと、観光へとかじを切っていきました。

 幸い上川町には層雲峡温泉があり、それを観光の足がかりとして、複数の団体客を受け入れられる収容力のある温泉街へと成長しました。
 しかし、近年の旅行形態は団体旅行から個人の嗜好中心となり、遊べる、学べる、癒やされるといった体験型へシフトし、インバウンドの増大など観光客層は変化しています。

 そうした中、本町では新たな戦略を描くうえでも核となるのは大雪山を中心とした自然環境しかない。それにこだわり、「まちづくり(観光地づくり)」の真ん中にしっかり据えるべきと考え、「北の山岳リゾートタウン」というコンセプトを打ち出し、何度でも訪れたくなる旅の目的地を目指すとともに、魅力ある観光地づくりと温泉街のにぎわいを生み出す取り組みを進めています。

 新型コロナにより大幅に落ち込んだ観光入り込みも、以前の水準に回復の兆しが見えてきましたが、一方で、新型コロナに伴う安心・安全な受け入れ環境の整備、ワーケーション、国内外から注目されるアドベンチャートラベルに対応したコンテンツ等への対応が求められています。

 そうした新しい観光スタイルやニーズに応えられるよう、宿泊施設の高付加価値化、エリアすべての上質化に向け地域一体で取り組むとともに、上川町でしか体験できないダイナミックな大雪山連峰が広がる絶景や登山をはじめ自然に溶け込むように遊べるアウトドアフィールド。山の湧き水からつくられるおいしいグルメ、道内屈指の心とカラダを癒やす温泉郷に磨きをかけていきたいと思っています。

 今あるものを生かし、新たな素材を創出しながら北の山岳リゾートタウン「北海道上川町」が皆さんをお待ちしております。

 
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