観光地域づくり戦略を改定
京都府および京都北部7市町(福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町)では、将来にわたり地域一体で観光地域づくりを進めるため、一般社団法人京都府北部地域連携都市圏振興社(通称:海の京都DMO)を2016年6月29日に設立した。
DMO設立以降、道路網の整備やインバウンド需要の高まりなどもあり、2019年度まで観光入込客数や観光消費額等順調に増加していたが、2020年度から新型コロナウイルス感染症が観光業にも深刻な影響を及ぼした。2022年10月の外国人入国制限の緩和や2023年5月の感染症の法律上の分類変更を経て、観光需要はインバウンドを中心に急速に回復している状況にある。
コロナ禍による社会経済環境の変化を踏まえ、また、2023年3月に閣議決定された観光立国推進基本計画や2023年7月に改定された京都府観光総合戦略等との整合を図る形で、2023年度に従来の海の京都観光地域づくり戦略を改定し、今年度から新たな戦略に基づく取り組みを推進している。
新たな戦略では、海の京都DMOが海の京都エリアでのマネジメント・マーケティングを行い、観光地域としてのブランド価値を高めていくことを責務と定め、(1)観光地域づくり(2)誘客促進、そして(1)(2)の戦略の生産性/効率性を最大化するための(3)DX戦略という三つの柱で、海の京都の観光地域づくりを進めることとしている。
また、海の京都DMOの今年度の主要事業としては、インバウンド事業(BtoB、BtoC)およびふるさと納税に対するエリア共通返礼品として電子ギフト「海の京都コイン」を発行する事業が挙げられる。いずれも自主財源の確保につながる事業であり、いかに売り上げを伸ばしつつ経費を抑えるかを念頭に取り組む。
DMOは近年、求められる役割や地域にとっての必要性がますます高まっているが、少子高齢化、人材不足の傾向が著しい京都府北部地域にあってはなおさらである。
新しい戦略において海の京都エリアが目指すのは、単なる観光地としての成長ではなく、観光地としての成長が雇用の創出や歴史文化・自然環境の保全継承、地域経済の活性化等の地域としての発展に寄与し、また同じく地域としての発展が観光地としての成長に寄与できる好循環をかなえ、持続可能な観光を実現する地域であり、その実現のため、海の京都DMOは観光地経営の司令塔として役割を果たしていきたい。