観光DXの課題と”消費”創出に向けて
5月8日(月)に新型コロナの感染法上の分類が5類に移行し、長かったコロナ禍がようやく明けようとしているという機運が高まり始めました。この3年間で観光業界は大きな困難に直面しましたが、一方で変化の機会も得ました。
体験事業主催社側の観光DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の過程で観光施設や体験事業者の現場などでのデジタル化が段階的に進み、非接触対策や入場制限はさることながら、オンライン上でのツアー実施などOTAを活用したマーケティングなどはその一例です。
KKdayグループは、現地体験商品などの旅ナカ商品をオンラインで予約・販売できるプラットフォームサービスを提供しています。コロナ禍において、各自治体やDMO、地域の観光事業者の皆さまと一緒に観光DX推進事業を行い、観光消費につなげる仕組みづくりをサポートさせていただく機会が劇的に増えました。事例をあげますと、第一に体験商品のオンライン予約化、多言語への翻訳や顧客対応、決済まで実現できるシームレスな予約導線の環境構築支援です。第二に現場運営の課題や属人化してしまっている情報の可視化、そして標準化へのデジタルサポート支援、第三にCRMなどマーケティング支援などが挙げられます。
そのDX支援で地域と共に感じている課題は「観光収入が地域に落ちるまでの仕組みづくり」です。昨年来インバウンド誘客への対策で、関係人口の創出や観光消費を創出するためには、体験商品の高付加価値化の企画サポートや、翻訳業務、オンライン予約化・決済サポートだけでなく、CRM含めた顧客サポートまでのシームレスな環境作りをしていくことが必須であると痛感しております。
商品造成やコンテンツの磨き上げサポートや、OTA掲載やプロモーション支援など地域活性への支援策はさまざまですが、一過性の施策だけでは本質的な地域活性化までは至らず、また、こういった環境を一から整えることは非常に手間とコストがかかります。私たちは自治体やDMO、事業者がそのような環境を手軽に整えていけるようにDX支援を図り、結果的に関係人口が創出され、地域が潤い、幸福感で満ちあふれるような環境構築に努めています。今こそ地域の観光収入に結び付ける時です。
地元事業者やDMOが世界中のお客さまに、日本各地域に根ざす“ヒトの心の温かさ”や“四季折々の地域資源の魅力”をしっかりと旅行者の心に届け、継続的な誘客・観光消費につなげることができた時、本当の意味でアフターコロナの観光業界復活と言えるでしょう。