エスコート・地域連携
地域をつなぎ、好循環を構築
――エスコート、地域連携は新体制で何が変わるのか。
「旅行を企画催行する事業から観光流動を創造する事業に変わる。これまで地域連携は営業戦略部内グループだったが、部に昇格させ、ツーリズムを推進する姿勢を対外的にも示す。また、顧客情報の活用や社外との新規事業立ち上げ業務などに特化した営業イノベーションプロジェクト部も新設した。自治体やDMO、スタートアップ企業など主に地域のプレイヤーの皆さまと連携し、お客さまと地域をつなぐコンテンツを創り出していきたい。例えばふるさと納税返礼品への地域の現地体験組み込みや駅たびコンシェルジュスタッフが選んだ特産品をオンラインイベントで紹介するなど、スピード感を持って当社理念である『お客さまの人生を豊かにして地域の活性化に貢献する』を具現化する部署を目指す」
――エスコート分野でのVTSの強みは。
「最大の強みはJR東日本のグループ会社であるということ。大人の休日倶楽部の会員基盤があり、旅行参加履歴などからセグメントした効率的な商品展開が可能だ。高付加価値、高単価の『贅なるひととき』ブランドはコロナ禍でも好評を博している。さらにJR東日本本社や各支社と連携し、『のってたのしい列車』や車両イベントなどをフックに埋もれている観光素材、コンテンツを組み込み、相乗効果で商品の価値を高めていく」
――地域連携での強化ポイントは。
「東日本エリアでグループ全体が築き上げてきた信頼関係がある。その中で当社は連携事業領域の拡大を図り地域活性化の一翼を担っていく。今年3月からは旬な地域の今を知るメディア『*and trip.』を立ち上げた。店舗の社員たちが地域情報を集約、発信しており、今年中にはフルオープンする予定だ」
――将来の展開は。
「旅マエを地域の方が魅力を語るオンラインで紹介し、リアルツアーに誘客するなど、チャネルを使い分けながら新規顧客の獲得を目指す。また、インバウンド回復時に向けたスキー顧客の獲得など、先も見据えたい。JR東日本エリア全域のプレイヤーとのハブとなり、送客につなげながら信頼関係も好循環の中で築き上げていく」
西 剛氏
【聞き手・長木利通】