前号に続き「館内案内の強化」について述べたい。
ホームページやパンフレットは営業に直結するものなので、きちんと更新されていることが多いが、館内案内や客室内インフォメーションとなると、下手をすれば何年も更新がされていない施設が多く見受けられる。いつの間にか客室内アンケートがなくなっている、夏なのに冬の周辺観光情報が掲載されている、見る気もしないくらいボロボロなどの残念な事例は枚挙にいとまがない。一度、自施設の客室インフォメーションを点検いただきたい。
では、どのように強化するかだが、良い館内案内には「正しい情報が掲載されている」「館内消費を促進する仕掛けがある」「読んでいて楽しくなる」という3原則が盛り込まれている。
「正しい情報が掲載されている」というのは一見当たり前のように聞こえるが、前述のとおり、古い情報のまま見過ごされているケースが多々ある。まずはそこから見直しをしてほしい。正しい情報が掲載されていれば、フロントへの内線問い合せも減るので生産性も向上する。
次に、意外と意識されていないのが「館内消費を促進する仕掛け」である。例えば、売店での売れ筋商品の紹介や、オプショナルツアーの紹介。二次会やマッサージの紹介など、お客さまにお勧めする商品は多々あるはずである。せっかくお客さまが手に取っていただいているチャンスなので販促をしない手はない。
そして、侮れないのが「読んでいて楽しくなる」という点である。そもそもボロボロであれば、手に取る気にもならないし、文字ばかりではつまらないので、ペラペラめくっておしまいである。客室インフォメーションをセールスマンと位置づけている施設では、雑誌のように編集され読んでいて面白いようにきちんとできている。
これからの時代は、IT化されてデジタルサイネージやタブレットで閲覧させることがスタンダードになるかもしれない。しかしそれはあくまで手段なので、原理原則は変わらない。3原則に則って一度、見直しをしてみてほしい。
アビリティコンサルタント・プライムコンセプト 内藤英賢