早いもので、2018年が終わった。今号では、18年1年の振り返りを行いたいと思う。
まず初めに今年の漢字が「災」であったことに表されているように災害の多い1年となった。こればかりはコントロールできるものではないので、今年1年が平和になることを祈るしかない。
続いて、以前から述べているモバイルファーストであるが、今年はGoogleがモバイルファーストインデックスを開始したことでさらに決定的になったと言えるであろう。
詳細の説明は割愛するが、端的に言うと、今まではWEBサイトの評価基準をデスクトップ版に軸を置いていたが、今後はモバイル(スマートフォン)版に軸を置くとしたものである。
また、18年の冒頭に述べた予測「差別化と競争激化」「個人旅行の潮流が世界的に」「省人化とテクノロジー」―これらも一層進んでいる状況となっている。
18年の新たなキーワードとしては「メタサーチの台頭」は見逃せないであろう。トリップアドバイザー、トリバゴ、トラベルコなどの従来から存在していたメタサーチに加えて、LINEトラベルなどのメガベンチャー企業も参入を表明したのは記憶に新しい。
「少しでも安いものを探したい」という顧客心理は常に存在するものなので、今の顧客行動を理解するためにもメタサーチの動向や導線を研究するのは必須であろう。
ただし、一方で「価格のみが、お客さまの意思決定に影響を及ぼすわけではない」ということも十分理解しておかないと、価格に頼った戦術行動をとってしまいかねないので注意が必要である。
なお、施設間の競争激化については今までは比較的、大都市に限られていた話であったが、一巡をしてさまざまな地方にも広がっていきつつある。競合が増えるのは、都市部の話で自施設には関係ないと、たかをくくっていると危うい。いつでも競合施設が増えようとお客さまに支持される宿作りをしておかないと、いざそのような状況になった際に対応が後手に回りかねない。
結論は毎年一緒の思いになってしまうが、新たな予約経路が出現しようが、競合が増えようが、お客さまに支持されている宿はいつでも強い。今年はどんな1年になりそうか。次号でまた予測を立ててみたいと思う。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)