今年の夏も宮崎県の地震に端を発した南海トラフ臨時情報やお盆時期に東北を襲った二つの台風。そして、月末にかけて列島を横断&縦断した台風10号と大変な夏となった。今はようやく一段落つき、さまざまな角度で夏の反省会が行われている最中だと思うが、その中で挙がるであろう夏の人手不足対策について取り上げたい。
各地からお聞きする声であるが、今年は相変わらず「人手が足りない」という声を聞くものの、これまでのような人手不足による「満室にできない」という施設が少なかったように思う。なぜ、そのようなことが可能になったのか仮説段階であるが、考察してみたいと思う。
まず一つとして、マルチタスクの浸透が挙げられるのではないかと思う。旅館業界は比較的分業がなされている業界であった(フロント/予約/料飲など、おのおのの業務が分かれている)が、今年の夏は特にフロントも予約も料飲を手伝いに行くことが当たり前になっていた。その結果、少人数でも回せるオペレーションが成しえる形となった。やむにやまれずヘルプに入ったという側面はあるが、業界としての生産性の向上が起こったともいえる形である。
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