前号に引き続き、売れる売店づくりについてである。個人客がメインとなった現代において、どのような売店づくりをすれば売れるようになるのかを考えていきたい。
ポイントは大きく三つ(1)商品(2)導線(3)仕掛けである。まずは(1)商品からである。これは前号でも少し触れたが、置いてある商品の内容が団体旅行時代のままとなっていないだろうか? 例えば個人客にフォーカスするのであれば、とにかく量が入ったものではなく、高品質&小数&ローカル色が強い商品が好まれるのは当たり前のことなので、そのような商品がきちんと置かれているかチェックをしてみるとよい。おそらく地元のお土産屋の中でも、個人のそうした動きに呼応して開発して販売している店舗があるはずである。そして、宿泊プラン同様に毎月ABC分析をして、売れ筋商品とそうでない商品の区別をつけていくことが大切である。
続いて(2)導線の問題である。最高の導線は、旅館の中で何度も人が通る導線上にあることである。例えば客室と大浴場の間など、行ったり来たりする導線の中に売店が組み込まれていれば、目に触れる機会も多く、少し寄っていこうかと立ち寄る可能性が増す。また、店舗内レイアウトも大事であり、適度なわい雑感と圧縮感がないと買いにくい雰囲気になってしまうので、商品レイアウトも試行錯誤してみるとよい。
最後に(3)仕掛けである。お客さまが思わず売店に立ち寄りたくなるような仕掛けをしておくことも大事である。例えばベタであるが、閑散シーズンにおいて、売店クーポンを配布することや、時間帯売り上げが低い時間にクーポンを配布することも何も手を打たないよりもはるかに有効的である。GoToキャンペーンの時など地域振興クーポンが発行された際に売店の売り上げは著しく上がったはずで思い出してほしい。
また、それだけではなく客室に設置するお茶菓子でひと工夫することや朝食バイキングで地物を多く使用して売店販売とリンクさせるなど、工夫の仕様は多々ある。待っていてはお客さまを獲得できない現象は、宿泊であろうが、売店であろうが変わらない。ぜひ、攻めの営業スタイルに転換して売店にも改革を起こしてほしい。
(株式会社アビリブ・株式会社プライムコンセプト 内藤英賢)