今号では、恒例の年末年始&冬の動向について述べたい。あくまで一般的な動向となるが、お手元にカレンダーを用意してみていただきたいと思う。今年度は12月28日(土)~1月5日(日)まで9連休となる当たり年である。このような大型連休の場合、需要の波は山なりになることが多いが、現状そのような傾向となっている。真ん中となる12月31日を頂点として、(年々12月31日の需要が高まっており、今年も異常な勢いである)、1月1日も次いでやはり需要が高く、以降12月30日&1月2日、12月29日&1月3日、12月28日&1月4日と需要が弱まっていくイメージなので、予約状況や競合料金を加味して価格をコントロールしてほしい。なお、昨年も12月31日の需要が突出していたため、本連載で「キャンセル不可の商品だけ売る/12月31日は周囲を絡めた連泊でしか取れないなど」工夫をしてほしいとお伝えしたが、実践できたであろうか?
さて、話を元に戻すが、逆に言うと、連休の需要が高すぎるので、1月5日(日)~9日(木)のレジャー需要は極端に弱くなり(スノーリゾートエリア以外)、持続可能な運営のために休館としている施設も増えているようであるので、現状予約が入っていないようであれば休館の検討をしてみてほしい。
年末年始と共に今年の冬季の状況を述べたいと思うが、10、11月の好調なマーケット事情が一転して、12月は閑散期となっているイメージである。まだ予約タイミングに達していないとも言えるが、例年12月の(特に平日は)需要が低迷するので、頭を切り替えて閑散期対応にかじを切っておいた方がよいかと思う。今の日本観光の頼みの綱であるインバウンドも12月は弱含みで(年末年始を除く)300万人を割るのではないかと予測される。春節(2025年1月28日近辺)も期待される声も聞くが、中国ゲストがコロナ前に比較してもマイナスになり続けており、かつてのような爆発力はないので、過度な期待は禁物である。
秋は非常に活況だったので、ここで浮かれることなく冬季の需要低迷のリスクに備えて、計画の見直しをおすすめしたい。
(株式会社アビリブ・株式会社プライムコンセプト 内藤英賢)