
大阪・関西万博がいよいよあと1カ月ほどに迫ってきた(4月13日~10月13日)。賛否入り交じるニュースも聞くが、ここは一つ過去に学びたいと思う。
2005年に愛知で開催された「愛・地球博」の来場者数の動向データがWebサイトに掲載されているので、参考にしてみてほしい。
その動向を一言で言うと「来場者数はキレイに右肩上がりに増えていった」である。
もう少し詳細に見ると、開幕時に最も来場者が低く(5万人を割り込んでいる)そこからゴールデンウイーク(GW)に向かって上昇をし、GWで15万人と第一の山を迎える。そこから10万人台で推移し、夏休みで第二のピークを迎える。
そして、特筆すべきは秋のラストスパートである。一気に20万人を超え(開幕の実に4倍)、そのまま終焉(しゅうえん)を迎え、終わってみれば1500万人の想定をはるかに上回る2200万人の来場者となった。
もちろん20年前とは状況が違うので、うのみにすることはできないが、大阪・関西万博も開幕から右肩上がりに増えていく可能性を大いに秘めているということは認識しておくべき必要があるように思う。
ましてや現在はSNSの時代であるので、訪れた人がそこかしこで宣伝することも見込まれるので、20年前よりも早く情報伝達がなされ、早い段階で来場者が爆発的に増える可能性も大いにありうる。
そして、会場はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の目と鼻の先なので、こうなると万博↓USJ&大阪観光(あるいは京都や奈良)というコースが組みやすく、連泊も増えるであろうし、関西一円が盛り上がる可能性が非常に高い。今はまだビッグウェーブを感じていない関西圏のホテルもこのことは大いに頭に入れてほしいと思う。
旅行者の心理として「大阪・関西万博が話題になっているし、行くか」となった場合に「他にどんな観光地があるかな」と回りを調べるのが常である。
もちろんUSJや大阪観光が筆頭候補であることは間違いないが、混んでいて予約が取れないなどのケースも考えられる。その場合に、近隣で他の観光地はないかなと探した際にきちんと候補になるような仕掛けを今のうちから実施しておくことをお勧めする。
(株式会社アビリブ・株式会社プライムコンセプト 内藤英賢)
(観光経済新聞2025年3月10日掲載コラム)