「問い合わせの電話を減らしたい」という悩みを持つ施設は多いのではないだろうか。慢性的な人手不足の中で、生産性向上を上げていかねば生き残りが難しいとされる状況において、スタッフの多くの時間を割く電話対応を少しでも減らしたいというのは、どの施設も思うところである。もちろん、大事なお客さまとのコミュニケーションポイントでもあるので、大事な業務ではある。しかしながら、1件でも無駄な電話を減らしたいというのが本音であろう。
そこで、電話を減らすためにFAQ(よくある質問)ページを今一度、見直したい。まだ自施設に設置がないようであれば、ぜひ検討してみてほしい。作成方法や見直し方法は至って単純で、まずスタッフにヒアリングして、頻出の質問事項をまとめていけば、ある程度は形になる。その上で、お客さまからの問い合わせが多い項目を追加していくといったイメージである。スタッフも、FAQへの掲載で電話頻度が減るとなれば、進んで協力をしてくれるであろう。
FAQのみならず、質問の頻度が多い項目に該当するページの見直しも必要である。駐車場に関する問い合わせが多いのであれば、おそらくアクセスページに詳細の記載がなかったり分かりにくかったりすることが要因と考えられるので、分かりやすいように変更をするといった具合である。
質問が多い項目はそこかしこに記載しておき、お客さまの目に触れる頻度を増すことで、問い合わせ電話を減らすことができる。また、別の観点から見ると、問い合わせが多いということは、情報が分かりにくいということでもあり、予約そのものを取りこぼしている可能性もあるので、要注意である。
以前はサブコンテンツ扱いであったFAQであるが、今はトップページの分かりやすい部分に設置したり、グローバルメニューに設置したりとメインコンテンツ扱いする施設も出てきている。それだけ「無駄を省いて、生産性を高める」ということに注力している施設が増えてきている証拠とも言えそうである。
今後においては、現在、取り沙汰されているように、AIを活用したFAQが主流になってくるであろう。そうはいっても、肝心のFAQの内容が社内で整理整頓されていないようでは、最大限に活用できないのがオチであろう。まずは足元のFAQページとコンテンツの見直しを実施してみてほしい。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)