リクルートは3日、大阪市のホテルニューオータニ大阪で、じゃらんフォーラム2024を開いた。大野雅矢・旅行Division Vice Presidentからのじゃらんnetの状況や事業方針などについての発表があったほか、昨年の取り組みを対象に選定する「じゃらんアワード2023」の表彰を実施。「元気な地域大賞」に、兵庫県南あわじ市と徳島県鳴門市による「鳴門の渦潮」を中心とした広域観光ブランディング事業を選んだ。
同フォーラムは6月24日の東京会場に続いて開催。近畿、北陸エリアの宿泊施設の関係者らが参加。
冒頭登壇した大野氏は、じゃらんnetの国内宿泊予約の流通取扱額が過去最高の約1兆2600億円になったと明らかにしたほか、生成AIなどを活用して、利便性の向上や旅行ニーズ潜在層への訴求などに取り組んでいく方針を示した。また「AirPAY」「AirSHIFT」などのビジネスツールや4月から展開している地域の消費動向や利用者動向などを可視化する「じゃらんエリアダッシュボード」、専任でなくとも簡単にレベニューマネジメントが導入できる「レベニューアシスタント」などの業務支援ツールについて紹介。このほかじゃらんリサーチセンターの沢登次彦センター長がインバウンドの最新動向について、ジョブズリサーチセンターの宇佐川邦子センター長が宿泊業における人材採用・定着について講演した。
続いて行ったじゃらんアワード2023では、自治体や宿泊施設を対象にしたアワードの表彰式を開催。独自性・協働性について特に優れた取り組みを行っている地域をじゃらん編集長が選ぶ「元気な地域大賞」は、世界最大級「鳴門の渦潮」を中心とした広域観光ブランディング事業として、共同グルメの開発を通じて日帰り旅行が多く滞在時間が短いというエリア課題の解消などに取り組んだ、南あわじ市と鳴門市に贈った。
授賞式で登壇した南あわじ市の守本憲弘市長=写真=は従来の県境を越えた共同での取り組みなどの経緯やうずの幸グルメの開発事業などを紹介。「3年間の事業を選んでいただけて大変ありがたい。今後はプロフェッショナルが地域の魅力を伝える『うずの幸マイスター』の育成、質の向上に取り組み、人が人を呼ぶような街づくりを鳴門市さんと共に進めたい」とあいさつ。泉理彦・鳴門市長は「1875年まで淡路島は徳島県であったように、鳴門と淡路島は交流が深く、生活や観光文化、特産物などでもつながりが深い。外国人から見たら日本は四つの島にしか見えない。観光は県境や市境にかかわらず、大きな視点で考えて地域エリアで盛り上げて、人を呼び込むことが重要だ。この受賞を契機にもっとタッグを組んで取り組んできたい」と意欲を語った。
アワードではこのほか「じゃらん OF THE YEAR 泊まって良かった宿大賞」「じゃらん OF THE YEAR 売れた宿大賞」などを表彰した。