東京都墨田区にある「すみだ北斎美術館」は6月21日から、特別展「北斎 百鬼見参」を開催する。北斎やその門人が描いた鬼にまつわる浮世絵を前後期合わせて約145点展示する。会期は8月28日まで。
作品を通して鬼才・北斎が鬼をどのように捉え、表現してきたかに迫る。また、北斎としては珍しい能を題材にした肉筆画「道成寺図」を同館では初公開する。道成寺図は今回の特別展のため修復を行ったという。
古来、日本人は鬼の存在を信じ、暮らしにも取り入れ、ともに生きてきたとされている。神話・伝説、芸能、小説、マンガ、アニメ、ゲームに至るまで鬼が登場する創作物は数多く、それだけ、鬼は日本人の心に深く根ざし、その精神世界の形成に大きな影響を与えている。そして、古典や芸能、また新たに江戸時代に起こった読本などを題材とする浮世絵にも、鬼は多く登場する。
特別展では、人気の錦絵「百物語」や版本などから鬼に関連する作品を紹介する。また、同館初公開の貴重な北斎の肉筆画も展示。「北斎が描くさまざまな鬼が展覧会に集結する迫力ある様を楽しんでほしい」と同館。
会期は、6月21日から7月24日までが前期、7月26日から8月28日までが後期で、前後期で一部展示替えを実施する。
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