アウンコンサルティングは27日、国内200以上の観光地の検索数を13カ国対象に調査した結果を発表した。
この度、インバウンドプロモーションの向上を目的として、昨年のデータから今年9月の訪日客の検索トレンドを予測するため、世界13カ国を対象に2018年9月の日本国内の200以上の観光地における検索数を調査し、ランキングを作成いたしました。
※世界13カ国には国と地域を含みます。
訪日リピーターが多いとされている台湾や香港では、主要観光地である『富士山』や『東京タワー』ではなく、『軽井沢』が上位にランクインしています。他にもアメリカで3,600、シンガポールで2,400、インドネシアで1,000など、検索数において1,000を超えている国が複数確認できます。なお、以下のグラフのように台湾に関しては2017年4月から2018年9月までに2倍以上検索数が増加しており、急激に関心が高まっていることがわかります。
東京から1時間半という交通の便の良さと、自然が豊かで四季折々に多彩な景観を楽しめる軽井沢は、リピーター層からの支持が高いことが推測できます。
・台湾:135,000(1位)
・香港:12,100(2位)
・アメリカ:3,600(17位)
・シンガポール:2,400(9位)
・インドネシア:1,000(11位)
※Google AdWords キーワードプランナーツール利用による検索数データ
『上高地』が台湾・香港・タイでTOP20にランクイン
山岳景勝地として知られる長野県の『上高地』が台湾・香港・タイで20位以内にランクインしています。河童橋や田代池など、自然豊かな絶景ポイントを持つ上高地は、地方圏の観光地を好む訪日リピーター層からの需要が高いことが推測できます。
高地では、2017年に海外向けの情報発信を目的として英語版のサイトを開設しました。長野県の「地域発元気づくり支援金」をサイトの制作や維持に充てており、松本市在住で上高地やインバウンド観光に詳しい外国人が、サイトを制作し、運営を行っています。このような外国人目線のプロモーションが、関心が高まった要因として上げられます。
また、もう一つの要因として2018年の「国立公園満喫プロジェクト」が考えられます。これは、環境省が推進する取組の一環で、中部山岳国立公園への観光誘致を目的として長野県松本市、岐阜県高山市や国が主体となり、Wi-Fi整備や自然ガイド育成などを行ったものです。この取組の中で無線LAN Wi-Fiが設置され、ブログ等の更新をしやすくした他、観光施設情報などを提供するツアーデスク等も設置しました。これにより、国内外のユーザーに恒常的に情報発信することが可能となり、関心が高まったと推測します。
・台湾:8,100(20位)
・香港:2,900(17位)
・タイ:720(12位)
また、以下のグラフから、直近2年の間では5月と9月に検索数のピークを迎えており、新緑や紅葉の季節に関心が高まっていることがわかります。
※Google AdWords キーワードプランナーツール利用による検索数データ
『白川郷』オフシーズンでも一定の検索数をキープ
以下のグラフのように冬に検索数のピークを迎える『白川郷』について、夏季は検索数が減少するものの、インドネシアでは2位、シンガポール・マレーシアでは4位と、東南アジアを中心に一定の検索数を保ち、上位にランクインしていることがわかりました。
・インドネシア:4,400(2位)
・シンガポール:4,400(4位)
・マレーシア:3,600(4位)
※『白川郷』の検索数が20位以内にランクインしている国を抜粋
※Google AdWords キーワードプランナーツール利用による検索数データ
2019年9月の訪日トレンドは?
2018年9月の韓国・台湾・香港の訪日数は台風の影響や紅葉シーズン、国慶節前ということもあり、年間の中で最も低い数となりました。暑さがまだ残る9月に日本旅行を楽しんでもらうには、『避暑地としての日本』が一つのトレンドになると考えます。検索数から分かるように、『軽井沢』『上高地』『白川郷』は潜在的に需要があり、それらの観光地のほとんどは地方に位置し、訪日リピーター層の好みにもマッチします。『白川郷』や北海道・東北地方の冬の観光地を、「緑が豊かな夏の観光地」としてプロモーションを行い、リピーターの新地開拓や地方誘致への追い風にすることも可能なのではないかと予測いたします。
<参考資料>
■各国の日本の観光地検索数TOP20(2018年9月1日~2018年9月30日
調査概要
【調査主旨】
【 2018年9月の検索トレンド調査と2019年の予測 】
台湾・香港は『軽井沢』や『上高地』、東南アジアは『白川郷』
国内200以上の観光地の検索数を13カ国対象に調査
【調査要綱】
調査日:2019年7月1日 ~ 2019年8月7日
調査対象時期:2017年1月~2018年9月