アニメ「火の鳥”道後温泉編”」が、YouTubeで50万視聴を突破した。
愛媛県松山市の観光のシンボルである道後温泉本館は、令和6年末までの完了を目指し、重要文化財の公衆浴場としては全国で初めて営業を続けながら保存修理工事を行っている。この期間にしか見られないプレミアムなコンテンツを制作・発信する「道後REBORNプロジェクト」では、日本最古の湯といわれる道後温泉に建つその風情ある本館と、手塚治虫のライフワークといえる作品「火の鳥」がコラボレーションし、日本文化の「再生」の物語を描き出している。
現在公開中の道後温泉にまつわる神話時代、飛鳥時代の伝説をテーマにしたオリジナルアニメーション「火の鳥”道後温泉編”」プロローグ・第1話は、アニメーション制作を手塚プロダクションが手掛け、声優に、つるの剛士(大国主/おおくにぬし役)、三森すずこ(少彦名/すくなひこな役)、水樹奈々(火の鳥役)ほかを迎え、話題を呼んでいる。プロローグ「~大国主と少彦名~」は、日本神話に登場する道後温泉の守り神を主人公に、道後温泉本館北側に鎮座する「玉の石」にまつわる伝説を描いている。国造りのため全国を旅する中、病に倒れた少彦名が道後温泉の湯で癒され、その「玉の石」の上で喜び踊ったとの伝説だ。また、第1話「~聖徳太子、来浴~」は、飛鳥時代に厩戸皇子(うまやどのみこ)、のちの聖徳太子が道後温泉を訪れたとされる「聖徳太子来浴」の伝説に基づく。従者を従えた皇子が、霊妙な道後の湯と椿の咲き誇るこの地を愛で石碑を建立したとされるもので、道後温泉の新施設である飛鳥乃湯泉前(あすかのゆ)の中庭・椿の森には、その伝説を再現した石碑が建つ。それらのエピソードと、原作で時代の転換点に現れるとされる「火の鳥」がコラボレーション。時空を行き来する「永遠の生命の象徴」が、地域で古くから語り継がれる伝説をさらに神秘的に昇華させ、また、誰にも親しみやすく、分かりやすいオリジナルアニメーション作品となっている。そして、このプロローグと第1話、予告編の視聴回数は合計50万回を超え人気のコンテンツとなっていて、日本国内のみならず、海外からの視聴数も伸ばしている。
2019年11月8日には東京・港区のポニーキャニオン本社ビル・イベントスペースにて、同作の続編の制作する発表会が行われた。発表会には、第3話に道後が生んだ偉人、一遍上人役を演じる板尾創路、野志克仁(松山市長)、吉村隆(株式会社ポニーキャニオン代表取締役社長)が登壇。第2話で同じく松山が生んだ俳人、正岡子規役を演じる声優・福山潤、そして松山市出身の「いい、加減。松山」応援団・応援団長で、マドンナ役・ナレーションを務める友近からビデオコメントが寄せられた。発表会では第2話、第3話のキャスティングが発表されたほか、手塚プロダクション制作のキャラクターデザインが披露された。
オリジナルアニメ「火の鳥”道後温泉編”」続編決定。新たに板尾創路、友近、福山潤、立花慎之介が加わり豪華声優陣に。(PRTimes/ポニーキャニオンニュース)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000442.000031071.html
現在、松山市では、道後温泉本館の保存修理工事の工事エリアを見学できる見学会も実施している。すでに2019年12月開催分までの申し込みは終了しており、定員を上回る応募で大変人気となっているが、重要文化財の保存修理工事の意義を直に観ることが出来るこの見学会は、参加者からも好評を得ているようだ。明治の改築で誕生した皇室専用の浴室である道後温泉本館の東側に位置する又新殿(ゆうしんでん)や、緑青が独特の風情を漂わせている銅板葺(どうばんぶき)屋根のあった現在の工事エリアでは、2019年7月にお披露目された、高さ約20m、周囲約90mの巨大な工事仮設物の素屋根により風雨から守られ、明治時代に何層にも貼られた壁紙の一枚一枚まで、丁寧に調査を行いながら保存修理が行われている。
オリジナルアニメーション「火の鳥”道後温泉編”」の続編は、そんな道後温泉の「今」につながるストーリーとなる。神話時代から飛鳥時代の物語を描いたプロローグ〜第1話から、第2話は、道後温泉本館が現在の姿になった明治時代のエピソードを描く。タイトルは「子規と漱石」。私財を投げ打って「100年後に他所で真似できないものを」と、当時の最新の建築技術を採用し明治の改築を成し遂げた伊佐庭如矢(初代道後湯之町町長)、今も天高く聳える松山城の宮大工を務めた家系に生まれ、棟梁を務めた坂本又八郎。そして、松山に英語教師として赴任していた夏目漱石と、親友の正岡子規が登場。子規と漱石が道後を歩きながら俳句を作り、日本の近代文学の未来を語らい、道後温泉本館を訪れたエピソードはあまりに有名だ。後にその時の体験が元になり、夏目漱石の処女作「坊っちゃん」が生まれる。同地では、道後温泉本館の3階の北西角の個室は「坊っちゃんの間」として親しまれてきた。
そして、オリジナルアニメーション「火の鳥”道後温泉編”」にオリジナルキャラクターとしてエキストラ出演出来る権利が、道後温泉本館保存修理寄附(クラウドファンディング)・第6回の返礼品として設定され話題を呼んでいる。第2話の募集は締め切られたが、現在は第3話のエキストラ出演権の募集が行われている。第3話でまちを歩く通行人などの役柄で、キャラクターデザインは、寄附者の写真をもとに手塚プロダクションが制作・作画する。手塚治虫原作の「火の鳥」に自分自身として登場できる大変貴重なチャンスだ。なお、エキストラ出演権が獲得できるクラウドファンディングの締切は12月31日(火曜日)と、残りあと約1か月。是非松山市のホームページなどで確認してみて欲しい。
オリジナルアニメーション「火の鳥”道後温泉編”」第2話「子規と漱石」は2020年2月1日に公開。また、第3話「そして、未来へ」は2020年中の公開を予定している。道後REBORN公式サイトや、道後温泉公式サイトなどで無料で視聴できる。また、このオリジナルアニメーション第2話と連動した道後温泉本館プロジェクションマッピングの第2弾も2020年春から開始されることも発表された。様々なコンテンツを発信し続ける道後REBORNプロジェクトに、今後とも是非注目して欲しい。
■【第6弾】小説「坊っちゃん」の舞台 道後温泉本館を未来に遺したい! クラウドファンディング
https://www.furusato-tax.jp/gcf/639
■道後REBORN公式サイト
https://www.dogoreborn.info/
■道後温泉公式サイト
https://dogo.jp/
「火の鳥」 ©TEZUKA PRODUCTIONS