
国内・海外旅行ともに昨年以上の頻度を予定、ポイント利用も増加傾向
アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは10日、世界7か国を対象に実施した「アメリカン・エキスプレス 2025年 グローバル・トラベル・トレンド・レポート」を発表した。日本人の旅行意欲は依然として高く、国内旅行では91%が昨年と同等以上の回数を予定。特に注目すべきは、旅行計画への AI 活用や子どもの学校休暇に対する柔軟な考え方など、旅行スタイルの変化が顕著になっていることだ。
調査によると、日本の回答者の約4人に1人(24%)が2025年の国内旅行を「昨年より回数を増やす」と答えた。海外旅行についても85%が「昨年と同じ回数またはそれ以上」と回答しており、これは世界7か国平均の77%を上回る結果となった。旅行の主な目的としては「家族や友人を訪問」(31%)、「ゴールデンウィークの旅行」(22%)、「一生に一度は行きたいと思っていた旅行先への旅行」(22%)などが上位を占めている。
注目すべきは旅行計画における AI 活用の広がりだ。日本の回答者の72%が「AI が何かしらで役立つと思う」と回答。特に翻訳支援(27%)、旅行先のアクティビティに関するお勧め情報(26%)、予算・経費管理(26%)などの分野で AI の活用に期待を寄せている。世代別では Z 世代の78%、ミレニアル世代の81%が AI の有用性を認識しており、若い世代ほど旅行計画への AI 活用に積極的だ。
旅行と教育の関係性についても興味深い変化が見られた。子どもがいる日本の回答者の約半数(49%)が「子どもたちの学校を休ませて旅行に行くことに抵抗はない」と回答。これは近年注目されている「ラーケーション」(子どもが家族と休暇を取得しながら校外学習を行う形態)の普及とも関連していると考えられる。また、旅行で体験したいことでは「好きなスポーツチームを実際に見てみたい」(29%)が世界7か国中2位の高さとなった。特に野球観戦は45%と突出して人気が高く、世界平均の15%を大きく上回った。
ポイント活用も日本人旅行者の大きな特徴だ。2025年に「ポイントを活用して旅行する」と回答した日本人は52%で、世界7か国中でインド(82%)に次ぐ2位の高さ。特に Z 世代とミレニアル世代では65%と、X 世代・ベビーブーマー世代(46%)を大きく上回った。また日本人は「おいしい料理やレストランがあること」(52%)を旅行先選びの重要要素と考える傾向が強く、これは世界平均(37%)を大きく上回る結果となった。
同調査は1月8日から13日にかけて、米国、オーストラリア、カナダ、英国、日本、メキシコ、インドの7か国で実施。年収5万ドル以上で年に1回以上旅行する成人を対象に、各国約1,000人からの回答を得た。誤差はプラスマイナス2~3%という。