インバウンドが好調に推移している。2024年1~9月累計の訪日外国人旅行者数は、日本政府観光局(JNTO)の推計値で2688万人となり、23年の年間実績(2507万人)を突破した。訪日外国人旅行消費額も、観光庁の1~9月期の速報値で5兆8582億円となり、23年の年間実績(5兆3065億円)を超えた。人数、消費いずれも年間で過去最高に達することが確実視されている。ただ、滞在先が大都市部に集中していることが課題だ。観光庁では、消費額が高い高付加価値旅行差の地方誘客に注力している。
◆9月の訪日最多
訪日外国人旅行者数は、統計上、直近の9月が287万2千人で9月としての過去最高を記録した。コロナ前の19年同月比26.4%増、23年同月比31.5%増。2月以降、8カ月連続で同月の最高値を更新している。
9月の旅行者数が上位の国・地域(カッコ内は19年同月比)は、(1)韓国66万人(226.3%増)(2)中国65万人(20.4%減)(3)台湾47万人(25.1%増)(4)米国19万人(50.9%増)(5)香港17万人(9.2%増)。
24年1~9月累計の訪日外国人旅行者数は、19年同期比10.1%増、23年同期比54.7%増の2688万人。このペースで推移すれば、年間値では過去最高の3500万人が視野に入っている。
◆消費単価が上昇
訪日外国人消費額は、24年7~9月期が1兆9480億円(1次速報値)となった。23年同期比41.1%増、19年同期比64.8%増。訪日客数の増加に加え、円安、物価高などを背景に単価が上昇し、7~9月期として過去最高を記録した。
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