計画的、早急な整備を推進
2年前から本格的な国際会議が郡山市(福島県)で開催されるようになり、英語圏のみならずさまざまな地域から多様な言語・文化を有する外国人が当市を訪れるようになった。福島空港も定期チャーター便が再開し、東南アジアからのインバウンド客が増えている。
コンベンションや観光によるインバウンド客の増加は願ってもないことではあるが、当市においてはインバウンド客向けのインフラ整備が追いついていない。フリーWi―Fi設置、道路標識、案内板、公共交通の利便性向上、宿泊施設、食習慣に配慮した飲食店の対応など、それらのバリアフリー化は必要である。併せて、多言語による情報提供は重要で、ウェブサイトやパンフレット、スマートフォンアプリの活用なども地域として整備を進めなければならない。
話は変わるが、当市は食用鯉(こい)の生産日本一である。また水稲の生産量も平成の大合併により広域の自治体が誕生するまでは、市としては日本一であった。これらは、猪苗代湖の水を郡山に引いた安積疏水の恩恵である。
さらに評価の高い地酒、東北最古の蒸留所が作るウイスキー、全国ブランドのお菓子、梨をはじめとする果物など、おいしい食べ物・飲み物に事欠かない。これら地域資源を有効活用し、インバウンド向けの魅力発信を行い、当市のブランド力と知名度アップにつなげたい。
郡山コンベンションビューローでは、設立以来、地域のホスピタリティ向上に向け、コンベンション関連業者、地域飲食店、市民を対象に、毎年欠かさずセミナーを開催している。縁あって当市を訪れたお客さまに郡山ファンになってもらえればと思う。
地方都市の人口減少が進行する中、インバウンド客に配慮し、リピーターを増やすことは、将来的にビジネスチャンスを生む可能性もあり、当市の地域経済振興に欠かせない。
これらのインフラ整備は、地方都市がコンベンションや観光で訪れるインバウンド客を迎え入れ、快適に滞在してもらうために不可欠である。
2024年も国際会議の開催が決定しており、より一層の国際会議誘致に向けて、当市の地域特性やインバウンド客のニーズに合わせた整備を計画的かつ早急に自治体と連携を図りながら進めていきたい。
郡山コンベンションビューロー 事務局次長兼誘致支援課長 霜鳥 勉氏