観光庁の髙橋長官（21日の会見）
受け入れ態勢に課題 人手不足対策に注力
中国政府が訪日団体旅行の禁止措置を解除したことを受け、インバウンドの回復が大幅に進むことが予想される。観光庁の髙橋一郎長官は21日の専門紙会見で、中国からの訪日団体旅行は8月末もしくは9月ごろから動きだし、大型連休となる10月の国慶節の時期には訪日が本格化するとの見通しを示した。単月の訪日外国人旅行者数は年内にコロナ前の水準を回復する可能性にも言及した。一方、国内外の旅行需要が急速に回復する中で、観光産業の人手不足、一部地域におけるオーバーツーリズムに対する取り組みが重要になるとの認識を示した。【向野悟】
訪日外国人旅行者数は2023年7月が232万人となり、19年同月比で77.6％にまで回復した。コロナ前に最大の訪日市場だった中国の回復率は29.8％にとどまったが、中国政府が8月10日に訪日団体旅行を解禁したことで、今後、訪日客数の回復が大幅に進むと見込まれている。
コロナ禍からの復興途上にある観光産業では人手不足が深刻さを増している。中国の訪日団体旅行の再開が加わるなど国内外の旅行需要の急増に対し、宿泊施設や交通機関が十分に対応できるのか、受け入れ態勢には課題がある。また、一部の地域では、現状でもオーバーツーリズムとされる状況が指摘されており、状況の悪化が懸念されている。
髙橋長官の記者会見の主な内容は次の通り。
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