高速ツアーバス最大手のウィラートラベル(東京都港区、村瀬茂高社長)は1日から、高速バス業界としては初めて、複数区間の高速バス乗り継ぎ予約サービスを始めた。距離の離れた地方都市同士を低価格で結ぶことにより、周遊型のインフラ作りと高速バス需要の拡大を図る。
新たに始めるのは、乗り継ぎが必要な2つのバス路線を一括して予約、決済できるサービス。従来は別々に予約が必要だった複数路線を1路線とみなし、乗り継ぎ割引を適用する。乗り継ぎ割引は日程により異なるが、100円程度。電話とオンラインでのサービスを用意した。「オンライン予約を利用すれば、簡単に最適な乗り継ぎ便を探すことができる」と同社。
乗り継ぎしやすい運行時刻設定を行うほか、渋滞や事故により最初の路線で遅延した場合には、後続便への振り替え、もしくは旅行業法上の旅程中止と中止分の全額返金といった対応を行う。同社は「従来は乗り継ぎを想定して予約しても、乗り遅れれば何の保証もされなかった。何らかのケアがあるのは画期的」と話す。
現在高速バス路線は、大都市間あるいは大都市と地方都市を結ぶ路線が多く、地方都市間の移動、は鉄道や航空便が中心となっている。
同社では今年7月までに運行路線を現在の15路線から50路線に増やす。乗り継ぎができる路線を拡充することで、乗り継ぎ予約の利便性を高め、需要拡大を図る。
1月23日に会見した村瀬社長は「乗り継ぎ便を利用すれば、JRの4割、航空便の2、3割の価格での移動ができる。路線の拡充と安全かつ安価なサービスの提供で、地方都市間を結ぶ新しい導線づくりを進めたい」と意欲を示した。
同サービスの08年度の取扱目標額は5億円。
電話での乗り継ぎ予約は1日から始める。15日からは同社のWEBサイト(http://travel.willer.co.jp)でサービスの提供を始める。
また今後、高速ツアーバスの乗り換え拠点となっている新宿に新たにインフォメーションセンターを設置し、常時2人程度の人員を配置、乗り継ぎの案内を行う予定だ。
新サービスの説明を行う村瀬社長