ウポポイが開業3ヵ月 来場者12万人超える


かやぶき家屋のコタン(集落)を見学する小学生たち

学校の教育旅行で好評価

 国が北海道白老町ポロト湖畔に設置したアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」が12日で開業3カ月を迎えた。新型コロナウイルスの感染拡大で、開業が4月末から7月に延期され、開業後も感染対策で入場を制限しながらの運営となったが、来場者数は3カ月で12万人を超えた。

 新型コロナの終息が見えない状況の中で、100万人の年間目標には遠いが、この間、ウポポイの認知度が徐々に高まり、毎月の来場者数も着実に増加している。

 運営主体の北海道アイヌ文化財団によると、7月12日の開業日から今月11日までの来場者総数は12万414人で、10月の1日当たり平均来場者数は1797人。7月に比べ3割ほど増加した。

 来場者の8割強が道内客だが、全国的な移動制限の緩和に伴って、道外からの来場も増えつつあるという。

 道や同財団が誘致に力を入れる修学旅行など小・中・高校生の教育旅行はこれまで341校、約2万6千人が来場し、全体の2割強と多い。さらに、来年3月末までに378校から予約が入っており、利用が順調だ。

 来場した学校からも、生徒たちがアイヌ民族の伝統舞踊や音楽を楽しみ、理解を深めることができたとの声が多く、好評という。

 ウポポイでは、開業時から入場を事前予約制とし、入園の際には、検温と手指の消毒、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保を徹底。特に「密」になりやすい博物館の見学には、時間ごとに人数枠を設定し、伝統舞踊のチームや運営に当たる職員には、毎月、PCR検査を実施している。

 こうした中で10月3日から、日本博物館協会の感染対策ガイドラインの改定を受けて1日の入場者数の制限枠を緩和し、2200人(平日1800人)に拡大。

 同財団は引き続き、冬に向けて感染防止対策を徹底するとともに、来場者の拡大に向けて、課題の予約システムの改善や屋内プログラムの充実、全国への情報発信に力を入れることにしている。

 また、Go Toトラベルキャンペーンや地域共通券などの利用も可能にしており「ぜひ、多くの皆さんが鑑賞や体験を楽しみ、アイヌの伝統文化に対する理解を深めてほしい」と来場を呼び掛けている。

 ウポポイの開園時間は10月末までが午前9時~午後6時(土日祝は午後8時)、11月から3月末までは午前9時~午後5時。閉園日は毎週月曜日(祝・休日の場合は翌日以降の平日)と年末年始(12月29日~1月3日)。

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