
エアビーアンドビージャパン公共政策本部長の大屋智浩
ホームシェアリングの基礎から最新の取り組みまでを解説
エアビーアンドビージャパン株式会社は3月18日、東京都新宿区の同社オフィスで、メディア向け勉強会「ホームシェアリングことはじめ -住宅宿泊事業法からAirbnbでの取り組みまで-」を開催した。同社公共政策本部長の大屋智浩が解説した。
エアビーアンドビージャパン公共政策本部長の大屋智浩
ホームシェアリングの魅力とメリット
大屋氏は、ホームシェアリングの魅力について、「ホームシェアリングは文字通り、住宅宿泊事業者。民泊を実施したいという方からすると、少ない投資コストは魅力。新しく建物を建てるのではなくて今あるものを使って、また空いた時間に商売が開始できるということ、地域の方とその地を訪れる方との交流を進めていける、という部分がある」と説明した。
地域にとっての利点については、「大きなコンテンツや観光施設、季節などにも依存せずに、様々な場所で柔軟に宿泊者を受け入れることができる」と述べた。
宿泊施設の歴史的変遷
宿泊施設の歴史についても解説。「産業革命前からスタートすると、海外の場合は少しずつ街道沿いとか道にいわゆる交通のインフラの一部としてイン、ホテルが出てきた。日本では江戸時代に平和になり、街道沿いに同じくインフラの一部として宿場が整備をされてきた」と指摘。
さらに、「21世紀に入ってからシェアリングエコノミー、宿泊に限らず、ライドシェアなど様々なシェアサービスが登場。いわゆる交通のインフラとしての宿泊施設だけではなく、様々なライフスタイルにあった宿泊施設が利用できるようになった」とした。
日本における民泊の法的枠組み
大屋氏は、日本の民泊に関する法的枠組みについて、「日本では、旅館業法、特区民泊、住宅宿泊事業法の3つのカテゴリーの中でどれかの許可もしくは登録届出をしてエアビーアンドビーの方にご掲載いただくということになっている。旅館業法では簡易宿所が多い。国家戦略特区に基づく特区民泊は、大阪を中心にご利用いただいている。東京都内では一部、大田区などで一部この特区民泊を利用されているケースのある。残りが住宅宿泊事業法。民泊新法と言われているが、できたのは2018年だ」と解説した。
安全・安心な宿泊を実現するための取り組み
エアビーアンドビーの安全対策については、「ID認証、オンライン決済、相互レビューなどで対応している。さらに、免許証、パスポート、携帯電話メールアドレスなどとの組み合わせの中でより確からしさを高めている。それから詳しくは説明できないが、裏でいろんな機械が動いており、かなりこれでバッドアクターというのは排除ができる」と説明。
また、予約のスクリーニングについて、「例えば、同一の街の中で直前に予約が入ると、それもハロウィンの直前時期のような場合、『パーティーで乱用される可能性がかなり高い。しかも初めてのお客様だ』といったアラートが出て、事前にはもう予約ができなくなる。予約ブロックがかかる」と明かした。
自治体との連携
自治体との連携については、「例えば、新宿区とは2019年に提携した。本当に多くの外国のお客様に来ていただいており、やはり新宿区としても観光客はウェルカムだけども、ぜひともルールを守ってほしいと、それから安心安全の取り組みについて理解をしてほしいということで、積極的に区と連携をしている」と紹介。
また、関西地域での取り組みについて、「一昨年から関西観光本部と連携している。大阪・関西万博だけでは、大阪だけではなく、関西地域全体で宿泊客を収容していこうと取り組んでいる。それ以外にも全国の様々な地域で、空き家の活用だったり、地域の観光人材の担い手をどうやって発掘していこうか、など多種多様なアングルでパートナーシップを組ませていただいている」と述べた。