エアビーアンドビーと新潟県佐渡市は8月8日、「地域の活力向上と賑わいあふれるまちづくり」を目指す連携協定を締結した。
世界最大級の宿泊予約プラットフォームであるAirbnb(本社:米国カリフォルニア州サンフランシスコ、以下:Airbnb、日本語名:エアビーアンドビー)の日本法人と新潟県佐渡市は本日、「二地域居住」及び交流型 観光による「長期滞在」の推進を目的として、産業振興の基盤となる地域コミュニティの育成を通じて、「地域の活力向上と賑わいあふれるまちづくり」を目指す連携協定を締結しました。
観光庁によると、2023年の外国人延べ宿泊者数は約1.1億人となり、コロナ禍前の2019年と比べて99%とほぼ同水準にまで回復しました。また日本人の国内延べ旅行者数も2021年以降回復の動きを強めており、2023年は4億9,758 万人(2019年比15.2%減、前年比19.1%増)となっています。一方で、その旅行先は大都市圏が多くを占めており、旅行者の地方への分散を加速していくことが喫緊の課題となっています。
そのような背景もあり、観光立国推進基本計画で掲げる、「インバウンド旅行者一人当たりの地方部における宿泊数を令和7年までに2泊とする」という目標達成に向けて、持続可能なあり方で旅行者の長期滞在を促進することが不可欠です。
また、多様な価値・魅力を持ち、持続可能な地域の形成を目指すためには、地域づくりの担い手となる人材の確保を図る必要があります。そこでこれからは、都市住民が農山漁村などの地域にも同時に生活拠点を持つ「二地域居住」などの多様なライフスタイルの視点を持ち、地域への人の誘致・移動を図ることが必要となります。
Airbnbのリスティング(宿泊施設)に宿泊する旅行の特徴として、宿泊施設のホスト(貸主)が、地元の人がよく知るおすすめ場所などの情報をゲスト(宿泊者)に提供することで、訪れたゲストが地元コミュニティやその土地の人と交流し、暮らすような旅が楽しめることなどが挙げられます。こうした体験型旅行を通じて関係人口の創出が促進されるほか、空き家や空き店舗など遊休不動産を活用した宿泊施設が作られることで、地域の経済的機会の創出に役立つと考えられます。このため、多くの地方自治体から交流型観光による持続可能な地域振興ソリューションとしてAirbnbプラットフォームの活用が注目されています。
Airbnbを通してこれまで旅行先として検討していなかったような地域での宿泊をご検討されるゲストの方も増えています。その一例として昨年(2023年)にAirbnbのゲストの方が訪れた国内の都市や町は
1,200以上となり、最も観光分散が見られた年になりました。また、初めてのAirbnbのゲストを迎えた都市や町の数は約10%増加し、そのうち半数以上(54%)が都市部以外の地域でした。
本協定は、関係人口を創出する「二地域居住」と、交流型観光による「長期滞在」の推進を目的としています。佐渡市内の空き家を活用した拠点づくりや、地域コミュニティの育成と人材確保の強化を通じて、「二地域居住」の推進をしていきます。また、7/27に「佐渡島の金山」は世界文化遺産に登録されました。今後ますます観光客の増加が見込まれる中、長期滞在者向けの受け入れ体制を強化し、佐渡市内での滞在期間を伸ばす交流型ワーケーションなどで連携することで、「長期滞在」の需要創出を目指します。
このように産業振興の基盤となる地域コミュニティの 育成を通じて、「地域の活力向上と賑わいあふれるまちづくり」に向けて連携していきます。
<今後の主な活動予定>
2024年10月〜
佐渡市内の数箇所で、空き家活用セミナーを開始
テーマ別自治体向け勉強会
2024年11月 〜
佐渡市内にて、空き家の利活用・ワーケーションを活用した地域コミュニティ作りを開始
<佐渡市について>
佐渡市では、少子高齢化や過疎化により全国に先駆け人口減少が進んでおり、特に生産年齢人口の確保を具体的に進めるべく、「起業成功率No.1の島」を掲げ、ビジネスコンテストの開催や、インキュベーションセンター・コワーキングスペースの整備等により、若い起業家を中心に企業誘致等に取り組んでいます。今後は、進出企業の定着をはじめ、多様な人材が活躍できる島づくりを目指して、「暮らす」と「働く」をセットにした取り組みとともに、これからの人口減少社会に対応するための「二地域居住」や「長期滞在」による関係人口拡大に取り組んでいきます。