環境省はこのほど、2011年度(第7回)のエコツーリズム大賞にNPO法人の信越トレイルクラブ(長野県飯山市)を選んだ。同クラブは第2回で特別賞、第4回で優秀賞を受賞しており、同省は「その後の3年間の発展的な取り組みが評価された」(自然ふれあい推進室)としている。
全国から63件の応募があり、審査委員(委員長・下村彰男東大大学院教授)による審査の結果、大賞1件、優秀賞3件、特別賞4件を決めた。
同クラブは、長野、新潟両県にまたがる関田山脈に埋もれつつあった旧道・古道を、多くのボランティアの手作業によって80キロのトレッキングコースに仕上げた。自然環境を保全しながらトレイルを整備し、自然と人とのかかわりを後世に伝えることを目的に活動している。
自主ルールの作成、案内板の設置による安全の確保、登録ガイドの人材育成などに取り組むとともに、トレイル全線においてモニタリングを継続実施している。年間ガイド派遣回数は200回、年間案内者は2300人人に上る。
「全国各地で設置の動きが高まるロングトレイルにとって、環境保全の体制、地域振興、協働型管理のモデル事例として高く評価される」(同)と言う。
優秀賞にはてしかがこまち推進協議会(北海道弟子屈町)、二戸市宝を生かした事業実行委員会(岩手県二戸市)、針江生水の郷委員会(滋賀県高島市)が受賞。
てしかがこまち推進協議会は組織内にエコツーリズム推進や人材育成などの部会を設け、エコウオークといった常設のプログラムの実施や人材育成に取り組んでいる。プログラムは改良を重ね、会員で着地柄型商品として販売することで、地域内での収益還元のシステムを構築している。
また、2つの委員会は第3回で特別賞を受賞しており、取り組みに対する評価が高く、今回、ランクが上の優秀賞に輝いた。
なお、特別賞の受賞団体は次の通り。
小岩井農牧(岩手県雫石町)▽エコロの森(富山市)▽飛騨里山サイクリング(岐阜県飛騨市)▽NPO法人桜島ミュージアム(鹿児島市)