地域の魅力発信を支援
キヤノンは、全国の自治体が持つ歴史や文化遺産などを映像化して地域の魅力発信を支援する「映像空間ソリューション」を提供している。このソリューションの特徴は、映像のデジタルコンテンツ制作の企画・コンセプト提案からクリエイターの選定、視聴環境の構築までを担う点にある。
キヤノンが長年培ってきたレンズ、カメラ、プロジェクターなどの幅広い映像関連機器や画像処理などを組み合わせることで、これまでにない体感型映像空間を作り出す。その特徴は「視野を覆う広視野角な映像空間」「高解像度映像によるリアルな質感と存在感」など。「まるでその場にいるような臨場感のある映像空間を提供する」という。
その第1弾として大阪府堺市が3月にオープンした百舌鳥古墳群ビジターセンター内に体感型映像空間を構築した。このセンターは、世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」の価値や魅力を伝えるガイダンス機能などを備えた施設となっている。
映像制作は、若手を中心とする多彩なジャンルのクリエイターを起用。コンテンツは約10分で、映像とアニメーションを用いて表現。8K業務用カメラなど高精細な映像が撮影できるカメラとレンズを用いた。堺市の上空からの映像はヘリコプターを使い、朝、昼、晩と天候の良い日を選んで行った。
臨場感を出すための画像処理を加えた9K相当の映像は、ネイティブ4Kプロジェクター3台を使用し曲面の巨大スクリーン(投影面の長さ約14.3×高さ約3.3メートル)にマルチ投写する。映像コンテンツは、古墳時代から現代に至るまでの約1600年の変遷を描いている。
併せて、センター内には、利用者などの密集を避けるためキヤノンが昨年6月に提供を開始した「オフィス密集アラートソリューション」を導入。これは、ネットワークカメラを活用し、シアター内の混雑状況をリアルタイムでモニタリングするもので、エリア内の密集度をアラートにより通知する。
問い合わせ先は、キヤノンマーケティングジャパン自治体プロジェクト推進室TEL03(6719)9655。
映像空間ソリューションのイメージ