リアルツアーでできない体験、価値を追求
クラブツーリズムは、コロナ禍の影響で海外渡航が制限され、募集型企画旅行が実施できない中、オンラインツアーの実施で顧客とのコミュニケーションを図っている。10月からは海外を舞台に約50種類のオンラインツアーを催行。国内を含めると約200種類になるという。同社ヨーロッパ旅行センターの久松亜美アシスタントマネジャーは「オンラインツアーは、海外旅行の再開時を見据えた、お客さまとの大切なリレーションツール」と話す。
売れ筋の地域はイタリアとフランスで、個人旅行では体験できず、流行を取り入れたツアーが好評だ。最近ではエジプトを舞台とした「古代エジプトの謎に迫る!謎解きオンラインツアー」が人気で、第2弾企画が3~5月で計3回催行される予定。同ツアーについて海外テーマ旅行センターグランデ2(アフリカ)担当の佐川嵩大リーダーは「エジプトは若い人にも人気。謎解き要素を取り入れた視聴者であることも好調の要因だ」と魅力を紹介する。ツアー造成で気を付けている点については「紙のカタログとは異なり、ウェブならではの見え方を意識している。他社にはないテーマでの打ち出しはもちろん、写真映えする絶景などSNSで流行している企画、生中継によるリアルな旅の演出は欠かせない」という。
今後について久松アシスタントマネジャーは「海外オンラインツアーは、月間千人が目標。渡航解禁後も含め、普段は見られない場所は価値が高い。リアルツアーでは訪れられない体験をとことん追求していく」と展望を語る。同社は、渡航解禁後もオンラインツアーを新たな価値創造、顧客体験の場として力を入れていく方針だ。
久松アシスタントマネージャー(左)と佐川リーダー
好評なエジプト・カイロのエジプト考古学博物館を訪問するツアー(イメージ)