日本オートキャンプ協会(JAC、明瀬一裕会長)はこのほど、「オートキャンプ白書2017」を発表した。白書によると、16年のオートキャンプの参加人口(1年間に1回以上キャンプをした人数)は前年比2・5%増の830万人で、4年連続で前年を上回った。
増加の背景について白書は、「グラマラス(魅力的な)とキャンプを合わせた『グランピング』の専用施設がオープンするなど15年に続き話題となり、キャンプのイメージをけん引した。また、閉鎖したキャンプ場をグランピングスタイルの施設としてリニューアルする施設も登場し、マスコミでキャンプがさまざまな形で取り上げられた。このほか、新規参入者の増加や北海道など一部を除き比較的天候に恵まれ、特に近畿、中国・四国で稼働率が伸びた」とした。
キャンパーの平均年齢は42・1歳で、15年の42・4歳から下降。年代別にみると、40代が41・8%で最も多く、次いで30代の32・4%と30~40代の団塊世代の子ども「団塊ジュニア」が7割強を占めている。キャンプ経験は2~3年が21・8%と最も多く、1年が21・1%と続きビギナー層が増えている。
キャンプの回数と泊数は3・3回、4・7泊と微減。高速代、ガソリン代、キャンプ場の使用料、食材などを含めた1回あたりのキャンプ費用は2万4723円と前年を1983円上回った。費用は上昇傾向にあったが15年に下がった後、16年に再度大きく上向いた。
キャンプ場の平均稼働率は14・0%と5年連続で上昇。北日本の台風や熊本地震で地域的な影響が出たが、それ以外の地域では比較的天候に恵まれたことなどが稼働率向上の要因とみられる。
グランピングがマスコミで大きく取り上げられ、需要が今後も増えるとされるが、「取り入れない」が61・0%、「検討中」が20・1%と合わせて8割を超え、グランピングに関心はあるものの、導入については慎重な姿勢を示している。
白書は「一部では、旅館・ホテルなどの宿泊業が提供する一種の宿泊形態として捉えられている。一方で、積極的に取り入れて成功しているキャンプ場も増えてきている」と指摘する。