NPO法人の奥入瀬自然観光資源研究会(おいけん、青森県十和田市)はこのほど、グリーンスローモビリティ(グリスロ)=写真=を利用した奥入瀬渓流ネイチャーツアーを開始した。
グリスロは、時速20キロ未満の電気自動車を活用した移動サービスで、人口減少や高齢化などに伴う地域内交通の課題解決や、低炭素型社会の実現に貢献すると期待されている。
現在、国土交通省は奥入瀬渓流(国道102号)を迂回(うかい)する青ぶな山バイパス(トンネル)工事を進めており、ツアーは同バイパス完成後を見据え、将来の交通体系検討の基礎資料とするため、官民連携で社会実験する。
ツアーは同市のESARIOが催行し、車両は佐々木石油販売が提供する。定員8人で、鉛バッテリーを使い、走行距離は80キロという。透明ガラス(スケルトン)で視界が広い。
9、10、11月と23年1月の土日祝日を中心とする指定日に実施。催行区間は奥入瀬渓流館―雲井の滝間で、ガイドが同乗し、景勝地では下車して景色を楽しんだり、滝などのフォトスポットを巡りながら樹木やコケなどを観察する。所要時間は約2時間。ツアー料金は無料だが、損害保険料やマップ代として500円を徴収する。おいけんは「バスに乗っていながら2時間トレッキングしているような、新しいスタイルのトレッキングバスツアー」と話している。