グローバル・ホテル・アライアンス、 日本市場における2024年の海外旅行動向を発表


パネルディスカッション

 独立系ホテルブランドの世界最大のアライアンス、グローバル・ホテル・アライアンス(GHA)は6月19日、東京では初開催となるグローバルCEOカンファレンスを HOTEL GROOVE SHINJUKUで開催した。

 

グローバルCEOカンファレンスには、GHAの最高経営責任者を務めるクリストファー・ハートリーを始め、パン パシフィック ホテルズグループの最高経営責任者であるチェ・ペン・サム氏、マイナー・インターナショナル グループ最高経営責任者、ディリップ・ラジャカリエ氏、並びに、インターブランドジャパン代表取締役社長 兼 最高経営責任者を務める並木将仁氏の4名がパネリストとして登壇しました。

 

カンファレンスの中で、GHAは加盟する複数ブランドが共通して利用できるテクノロジープラットフォーム「GHA DISCOVERY」について触れ、多様な独立系ホスピタリティブランドを結集させたマルチブランドのロイヤルティプログラム「GHA DISCOVERY」会員の最新動向を紹介しました。

 

世界中で2,700万人以上の会員数を誇るGHA DISCOVERYのデータによると、日本における会員数は現在は34万人となり増加傾向にあります。また、日本拠点の会員によるホテル収益も増加しており、2024年の最初の5ヶ月間で2023年の総収益を上回る勢いで推移しています。これはパンデミック以降、回復が遅れていた海外旅行の回復を示しています。

 

また、日本におけるGHA DISCOVERY会員の2024年における現在の海外旅行先のトップをみると、宿泊数と消費額でアメリカとタイ、次いでシンガポールが挙げられます。一方、グローバル市場におけるGHA DISCOVERY会員には、日本が引き続き非常に人気の旅先となっています。2024年には、米国からの旅行者が最も日本を訪れ、その後にオーストラリア、シンガポール、香港からの旅行者が続いています。

 

2023年から2024年現在までのGHAのトップパフォーマーはパン パシフィック ホテルズ&リゾーツのパートナーであるBELLUSTAR TOKYOと、パークロイヤルのパートナーホテルであるHOTEL GROOVE SHINJUKUとなっています。両ホテルは、GHA DISCOVERYのロイヤルティ会員による宿泊数と収益において最高の成績を収めています。これら2つのホテルは2023年5月に開業したばかりにも関わらず、DISCOVERY会員は過去12ヶ月間で合計50,983泊の客室を利用しました。

 

なお、GHA DISCOVERY会員によるGHAのプロパティ内の人気ランキングを見ると、宿泊日数ではハワイ、ヤンゴン、クアラルンプールのデスティネーションが人気で、支出面ではハワイに位置する3つのアウトリガー・ホテルズがトップスリーを制覇しています。

 

「日本におけるGHA DISCOVERY会員の増加が、世界各地の主要な目的地におけるGHAホテルへのビジネスを促進しており、海外旅行への信頼感が回復するにつれ、今後さらに増加することを期待しています。日本は単なる海外旅行の重要な市場にとどまらず、世界のGHA会員にとって最も人気のある目的地の一つでもあります。そのため、日本国内のホテルにとっても著しい収益につながっており、今後も成長傾向が続くことが見込まれます。私たちはこれからも日本でのさらなる存在強化を目指し努力してまいります」(GHA最高経営責任者、クリストファー・ハートリーのコメント)

 

さらに、GHAの設立20周年を記念した今年のカンファレンスでは、レジャートラベルにおける人気の渡航先として、今、世界中から注目を浴びている日本市場における2024年の海外旅行動向が明らかになりました。

 

GHA がこのたび株式会社インターブランドジャパンと共同で実施した調査結果の概要は以下のとおりです。

 

  • 海外旅行は穏やかに回復中:2023年の日本の海外旅行者数は2019年の約半分で、国内旅行需要と比べ回復が遅い状況です。調査によると、74%の回答者が2024年に国際旅行を計画しておらず、高額な価格、円安、不確実性が主な抑制要因と回答しています。

 

  • 新たな体験と安全性を重視:日本人の海外旅行において、「新しい体験ができること(45%)」と「観光やショッピングを楽しむこと(42%)」が最も重視されています。一方で、「馴染みのある体験」や「ホテルでのリラックス」が相対的に低い数字となっています。安全性、快適さ、経済的な観点が目的地の選択において重要視されており、富裕層は冒険的な新たな体験を求めていることが明らかになりました。

 

  • ホテル選びは「クオリティ」を重視:ホテルを選ぶ際には、宿泊施設のクオリティ、便利な立地、そして経済的な価格が重要視されることが明らかになりました。また、上記に加え、富裕層はホテルの設備や宿泊施設の広さも重視していることが明らかになりました。

 

  • ロイヤリティプログラムについて:ロイヤルティプログラムのメンバーは、会員特別料金や割引、そしてリワードを特に重視しています。高級客層は、感情が動かされる体験やサービスの質に追加的な重要性を置いています。

 

  • 富裕層市場について:調査によると、旅行にお金をかけることができる富裕層を対象としたフォーカスグループでは、海外旅行に強い関心を持っていることが明らかになりました。一般の市場動向とは異なり、富裕層は安全性よりも、訪れる先でのユニークでローカルな、そしてエクスクルーシブな体験に魅了されています。他の旅行者の情報やメジャーなガイドブックではなく、「実際に現地に行かないと分からない情報を持つ旅行者」から得た情報に基づいて行動する傾向にあることが分かりました。また、今回の調査に参加した富裕層の人々が興味をもっていると回答した旅先には、ブダペスト、ローマ、プラハ、そして米国やスイスの山岳地域が挙げられています。

 

なお、旅行にお金をかけることができる日本の富裕層に関しては、一般的なブランドよりも地元の個性と魅力を持つ独立系ホテルを好むことが明らかになりました。旅行体験をよりスムーズで便利にするロイヤルティプログラムの特典を重視しており、アップグレード、無料の朝食、アーリーチェックイン/レイトチェックアウトなどを特に評価しています。

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