帝国データバンクが10月に行った新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査では、感染症による自社の業績への影響について、「マイナスの影響がある」と見込む企業が79.0%と、8カ月ぶりに8割を下回った。ただ、業種別では旅館・ホテルが97.4%と、依然として高い数値となっている。
「マイナスの影響がある」は、「既にマイナスの影響がある」と「今後マイナスの影響がある」の合計。9月の前回調査(80.6%)から1.6ポイント減少した。「既に―」は69.2%で、前月比0.8ポイント増加。「今後―」は9.8%で、同2.5ポイント減少した。
このほか「影響はない」が13.4%で、同2.2ポイント増加。「プラスの影響がある」が3.8%で、同0.2ポイント増加。「分からない」が3.9%で、同0.7ポイント減少。
マイナスの影響があるとする企業割合を51の業種別に見ると、旅館・ホテルが97.4%と群を抜いて多かった。2位以下は飲食店(92.7%)、広告関連(92.7%)、繊維・繊維製品・服飾品卸売(90.4%)、娯楽サービス(90.3%)が続く。
旅館・ホテルから「Go Toトラベルにより、ようやく回復の兆しが見えてきたが、申請作業の手間などから従業員が疲弊している」との声があがり、「取り巻く環境の厳しさは続いている」と帝国データバンクは指摘している。
半面、業績にプラスの影響があるとした業種は、スーパーマーケットなどの各種商品小売が46.5%と、2位の飲食料品小売(17.9%)を大きく引き離して1位となった。