旅行会社や宿泊施設などに各種のデータ送受信サービスを行うシーナッツ(東京都中央区)は、送客通知処理・残室管理システム「TL─X」とインターネット予約サイト在庫コントロールソフト「サイト番頭」が合体した後継サービスを来年3月から発売する。
新商品は、「TL─Lincoln(リンカーン)」。従来の専用端末での販売ではなく、ASPでサービス提供する。インターネットの使用環境があれば専用端末に依存せずに利用できる。予約が集中する繁忙期などは、複数の担当者による同時業務処理も可能にした。
TLリンカーンは、リアルとネット双方の旅行会社を一元で管理する「一元管理機能」や、以前から要望の多かった旅館・ホテルの基幹コンピュータシステム(PMS)との連動を強化する新機能を登載。従来のTL─X、サイト番頭の機能も継承し、より使いやすくなった。
一元管理機能を使えば、画面を切り替える必要がなく簡単な操作で、複数の旅行会社との調整が可能。宿泊施設の適正な部屋在庫の増減業務と、オーバーブックの危険性を避けるための業務を効率的に行える。併せて、販売アラートや自動処理機能も搭載。作業者の人為的ミスを極力避けることができる。
PMSとの連動強化にあたり、ほとんどの宿泊予約データをPMSに反映できるように改良した。「旅行会社などから送られる宿泊予約者の情報は通信データ形式やその分量に多くの制限があるため」(同社)、従来のシステムでは通信データをPMSに流し込む際にデータの約60%が欠落していた。業務担当者が予約情報を見ながら再度、PMSに手入力をする必要があった。新商品では、そういった手間の省力化を図った。
ほかにも、「宿泊プラン別」「旅行販売店別」「部屋在庫消化率」などの実績を反映した各種統計資料の作成が簡単にできるなどの特徴がある。
利用料は、自動バージョンアップ、カスタマサポート料を含めて月額3万円から。宿泊施設の部屋数に応じて変動する。
シーナッツは、TLシリーズのほかに、予約通知配信の「リザプリ配信サービス」などを宿泊施設などに提供している。TLシリーズは、全国の旅館・ホテルに約4500軒の導入実績があり、業界トップシェアを誇る。
問い合わせ先は、シーナッツ(TEL03・3536・9651、URL http://www.seanuts.co.jp/)
TLリンカーンの画面