ジャパン・ツーリズム・アワード、大賞は南三陸ホテル観洋


 世界最大級 旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン2017」を主催する日本観光振興協会と日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)は8月25日、国内、海外の団体・組織・企業の持続可能で優れた取り組みを表彰する「第3回ジャパン・ツーリズム・アワード」の各賞を発表した。大賞には阿部長商店 南三陸ホテル観洋(宮城県)の「『震災を風化させないための語り部バス』による地域交流活性化への取り組み」が選ばれた。

 南三陸ホテル観洋は、2011年3月の東日本大震災直後から、宿泊施設を被災者に提供するなど地域に寄り添い復興の道を開いた。同時に「語り部バス」を催行して震災体験を宿泊客に伝えることで防災意識の向上を図っている。震災を風化させないためのたゆまぬ取り組みが評価された。

 女将の阿部憲子さんは「私たちの思いを今後も発信していくための大きな励みになる。語り部活動は国や世代を超えて地域の歴史や文化の継承を未来へ伝え、多くの方々が現地を訪れるきっかけとなり、地域の交流人口拡大や縁と絆を結んでいる。震災復興だけでなく、観光振興、地方創生につなげていくために、一層地域の発展に努めていく」とコメントしている。

 ジャパン・ツーリズム・アワードは、ツーリズム業界の発展・拡大に寄与することを目的としている。今年が国連の定める「持続可能な観光国際年」でもあり、今回は持続的な観光への取り組みをテーマとして募集。昨年の158件を大きく上回る239件の応募があった。国内・訪日領域、海外領域、UNWTO(国連世界観光機関)部門の3カテゴリーがあり、国内・訪日領域は187件、海外領域は48件、UNWTO部門は4件。

 国内・訪日領域では部門別に次の3点が優秀賞に決まった。

 ビジネス部門は、パークホテル東京(東京都)の「アーティスト・イン・ホテル プロジェクト」。ホテルの客室をアート空間にする先駆的な取り組みでインバウンド市場での差別化を進めると同時に日本の魅力を増加させていることが評価された。

 地域部門は大歩危・祖谷いってみる会(徳島県)の「秘境山間地のインバウンドへの取り組み」。公的資金に依存せずインバウンド客を27倍に増やし、秘境・祖谷渓温泉をブランド化させた。

 地域部門は、田舎館村むらおこし推進協議会(青森県)の「田んぼアート」。各地で行われる「田んぼアート」の先駆的存在、田植えや稲刈りなどの体験を加えて進化を続けている。地域活性化とともにビジネスモデルとなっている。

 同アワードは、連続応募、連続受賞を可能とすることで、応募取り組みの継続性、発展性を重視している。地域部門賞では、スタービレッジ阿智誘客推進協議会が3回連続で受賞。満天の星空を見たいという要望を叶える「スタービレッジ阿智 日本一の星の村」の取り組みは、町全体で「星の村」をアピールし、毎年企画を進化させ訪問客が増加している。

 表彰式は9月21日のツーリズムEXPOジャパン開会式に続いて開催される。

 
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