メタサーチのスカイスキャナーは21日、英国ヘンリー王子設立のグローバル・パートナーシップ「Travalyst(トラバリスト)」でフレームワークの策定を開始したと発表した。
第一歩として、宿泊・航空・体験サービス(旅ナカ)の3分野においてフレームワークを策定します。Booking.comが主導する宿泊分野のフレームワークは、宿泊施設による廃棄物や水の管理、地域社会への貢献や環境保護などに関する取り組みの効果を評価します。既存の認証制度なども加味しながら、従来型のホテルだけでなくすべてのタイプの宿泊施設に適用できる普遍的な基準作りを目指します。
スカイスキャナーがリードする航空分野のフレームワークでは、各フライトの二酸化炭素排出量についての透明性を高め、各航空会社の持続可能性に関する取り組みをハイライトします。体験(エクスペリエンス)のフレームワークはTripadvisorが主導し、大規模テーマパークからオプショナルツアー会社まで多岐にわたるこの分野のサービス・企業を評価できるよう、持続可能性の基準や比重を調整しながら、一貫性のあるフレームワークの策定を目指します。
スカイスキャナーのCEO、ブライアン・ダヴは次のように述べています。
「旅行、特に飛行機で行く旅行は、世界中のさまざまな文化を知ることができ、人々を一つにする特別な体験です。現代だけでなく未来の世代も旅を続けられるよう、私たちは今、旅行業界として変化を加速させなければなりません。それは一つの企業が単独で実現できることではなく、各社が協力する必要があります。航空業界ではすでに多くの企業が持続可能性のための取り組みを行っていますが、スカイスキャナーが旗振り役となって各社と連携し、共通のフレームワークを策定できることを誇りに思います。このフレームワークにより、旅行者は環境に優しい選択を簡単にできるようになり、同時に持続可能な旅の実現に向けて取り組んでいる企業を広く紹介することができるでしょう。このフレームワークを完成させ、発表できることを楽しみにしています」
このフレームワークを旅行業界において広く活用できるものにし、今後のTravalystの活動を実りあるものにするためには、独立的かつ客観的な視点が欠かせません。そこでTravalystでは、活動を評価し指導する独立諮問委員会を設けました。旅行、テクノロジー、持続可能性などに関する専門家や研究者から成るこの諮問委員会は、持続可能性を推進するNPO「Forum for the Future」が主導し、同団体の最高責任者および大英帝国勲章4等勲爵士であるサリー・ウレン博士が委員長を務めます。同委員会は、今回のフレームワークを含めたTravalystの今後の活動が、旅行業界に広く展開でき、かつ旅行・観光業界にポジティブな変化を生み出すものであるよう、独立的で戦略的な助言や指導を行います。
Travalyst独立諮問委員会のその他のメンバーは以下のとおりです。
• IUCN World Commission on Protected Areas(WCPA)Tourism and Protected Areas Specialist(TAPAS)Group責任者、Global Sustainable Tourism Council(GSTC)役員、アナ・スペンスリー博士
• Intrepid Travel共同創業者およびIntrepid Group会長、ダレル・ウェイド氏
• Harbour Air Group創業者兼最高経営責任者、グレッグ・マクドゥガル氏
• Travindy共同創業者およびTourism Declares a Climate Emergency共同設立者、ジェレミー・スミス氏
• Good Hotel Group創業者兼最高経営責任者、マーテン・ドレセン氏
• サリー大学サステナビリティ・マーケティング教授およびTravindyのImpact部門代表、シャビエル・フォント博士
Forum for the Future最高責任者およびTravalyst独立諮問委員会委員長、大英帝国勲章4等勲爵士のサリー・ウレン博士は次のように述べています。
「Tavalystの諮問委員会や参画企業と協同し、旅行と観光業界の未来を変革するという目標を達成するお手伝いができることをうれしく思います。社会経済的な発展と気候変動の問題解決を両立させることはできますが、それには現在の大量消費のシステムを大きく変えることが唯一の方法です。Travalystは非常に大きな目標を掲げています。人々と地球の双方にプラスとなる変革を起こせるよう、諮問委員会がサポートしていきたいと思います」
活動を旅行業界に対して開かれたものにし、広くフィードバックを受けて改善していくという理念に基づき、Travalystは2月26日、VisitScotland(スコットランド観光局)およびエディンバラ国際会議場(EICC)とともに英国スコットランドのエディンバラでサミットを開催し、旅行・観光業界の主要なステークホルダーを招いて持続可能性の推進に向けたワークショップやディスカッションを行います。この場で3分野におけるフレームワークについてフィードバックを受け、改善を重ねます。その後、旅行関連企業と連携して必要なデータを収集・分析し、持続可能性に関する各社の取り組みを評価するスコアリングを試験的に行い、参画企業のウェブサイトなどに掲載していきます。
Travalyst(トラバリスト)について
Travalystは、旅行業界の各社を結集し、世界によい影響をもたらす要因(catalyst)となることを目指して、2019年にサセックス公爵殿下がBooking.com、スカイスキャナー、Tripadvisor、Trip.com、Visaとともに発足したパートナーシップです。目標は、すべての人々のために旅行の未来を変えること。地域社会や野生動物、環境などさまざまな点において、訪れる旅行先に最善の支援となる旅の選択ができるよう、旅行者によりよい情報提供を行うことを目指しています。地域社会や行政、NGO、企業や社会起業家らと連携してその知見や視点を生かしながら、旅行をより持続可能なものにするためのソリューションを追求し促進していきます。テクノロジーを活用し、戦略的な活動を行うことで、ニーズが高まりつつある持続可能な旅の選択肢を広く提供することを目指します。https://travalyst.org
スカイスキャナーについて
スカイスキャナーは、航空券・ホテル・レンタカーなどの情報を、世界中の航空会社・旅行会社など約1200社のウェブサイトから横断的に比較検索できるサービスです。世界の利用者数は月間約1億人、アプリのダウンロード数は約1億回に上ります。2003年に英国スコットランドのエディンバラで誕生し、現在は52の国と地域の旅行者へサービスを提供、30言語に対応しています。2016年、Trip.com Groupの一員となりました。
日本語サイト(https://www.skyscanner.jp )やアプリ(https://www.skyscanner.jp/mobile )など日本向けのサービスは、スコットランドに本社を置くスカイスキャナーリミテッドとヤフー株式会社による合弁会社、スカイスキャナージャパン株式会社が運営しています。