
スポーツツーリズム市場、急成長の兆し
若年層の国際的スポーツイベント参加率が56%に
エクスペディア・グループは9日、スポーツツーリズムの世界的な成長に関する調査結果を発表した。スポーツイベントを目的とした旅行が、観光業界に新たなビジネスチャンスをもたらしていることが明らかになった。
調査は、過去12カ月以内にスポーツイベントを目的に旅行した8カ国2,000名を対象に実施。スポーツファンの44%が国際的なスポーツイベントを観戦するために海外へ渡航しており、16~34歳の若年層では56%に上昇していることが判明した。特にカナダ(62%)、ドイツ(58%)、フランス(57%)の旅行者が積極的に国際的なスポーツ観戦を楽しむ傾向にある。
経済効果は広範囲に波及。スポーツファンの5人に3人が開催都市以外に宿泊し、約3分の1が近隣の主要観光地を訪れている。さらに20%が開催地から1時間以上離れた都市を選び、同じく20%があまり知られていない近郊エリアを訪問しているという。
スポーツ観戦を目的とした旅行の平均支出額は1人あたり約225,000円(1,500ドル)超。内訳は、イベントチケットに平均約45,000円(300ドル)以上、航空券に平均約63,000円(420ドル)、宿泊費に約71,000円(480ドル)、飲食やショッピングなどの追加消費額は約55,000円(370ドル)を超える。
日本人旅行者に焦点を当てると、スポーツイベント観戦のために渡航し宿泊を伴った場合、1回の旅行での平均支出額は約241,000円(約1,550ドル)にのぼる。今後1年間でスポーツイベントに参加予定の旅行者の多くは、すでに次回の旅行に向けた予算を確保しており、平均約180,000円(1,200ドル)以上を支出する見込みだ。
女子スポーツへの関心も向上。16歳から34歳の回答者のうち、24%が男女混合のスポーツイベントに参加しており、全体平均の20%を上回っている。また、12%が女性選手のスポーツイベントに参加しており、全体平均の9%を上回る結果となった。
エクスペディア・グループ最高商務責任者のグレッグ・シュルツは、「今回の調査結果は、スポーツツーリズムが単なる試合観戦にとどまらず、旅行全体の体験を充実させ、経済にも大きな影響を与えていることを明確に示している」とコメント。2032年までに195兆円(1.3兆ドル)規模に達すると予測されている市場機会を最大限に活用するための戦略的ソリューションを明らかにしたとしている。