観光庁、スポーツ庁、文化庁が共同で開催している「スポーツ文化ツーリズムアワード2020」の結果が10日に発表された。3庁はスポーツや文化・芸術資源を生かした観光をスポーツ文化ツーリズムとして推進。各地の優れた取り組みとして、富士山や熊野古道伊勢路、道後温泉を舞台にしたイベントやツアーを主催する各団体など計13件を各賞に選定した。
アワードは2016年度にスタート。20年度は48件の応募の中から受賞団体を決めた。例年開催しているアワードの表彰式、同時開催のスポーツ文化ツーリズムシンポジウムは、20年度は開催しない。
スポーツ文化ツーリズム賞は、おわせ海・山ツーデーウォーク実行委員会/尾鷲市(三重県)と、富士山ネイチャーツアーズの2団体が受賞した。
実行委と尾鷲市による「おわせ海・山ツーデーウォーク」は、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録された04年から開催されている。海と山に育まれた歴史の道、熊野古道伊勢路を歩く。実行委はコース整備や熊野古道の保全の役割も担う。
富士山ネイチャーツアーズは、オリジナルのエコツアー「富士下山~富士山の知られざる魅力に出会う自然旅行」を実施している。「富士山の魅力は五合目より下にその7割がある」をツアーのコンセプトとして、五合目より下に広がる自然、歴史、文化を紹介している。
文化ツーリズム賞には、松山市の「道後温泉本館×火の鳥 道後REBORNプロジェクト」が選ばれた。国の重要文化財の道後温泉本館の保存修理工事を観光資源化。手塚治虫の漫画「火の鳥」をモチーフに、工事を再生への過程として、ラッピングアートなどを展開して物語化した。
他の受賞案件(団体と企画名)は次の通り。
【スポーツツーリズム賞】エクストレモ=あるがままの自然を活用したアウトドアスポーツ“アドベンチャーレース”を全国で展開▽FIBA 3×3 World Tour Utsunomiya Masters実行委員会=FIBA 3×3 World Tour Utsunomiya Final 2019の開催
【文化ツーリズム賞】北前船交流拡大機構=日本遺産北前船を通じた各地の文化資源活用と観光振興
【武道ツーリズム賞】Ageshio Japan=世界でただ一つ 空手発祥地”沖縄”の空手ツーリズム事業▽むらやま武道ツーリズム推進協議会=居合道発祥の地でサムライ体験・山形県村山市
【日本遺産ツーリズム賞】和歌山市=日本遺産「絶景の宝庫和歌の浦」をめぐる日本初のミュージックマラソン「和歌山ジャズマラソン」▽出羽三山シンフォニー実行委員会=出羽三山の精神文化と山形交響楽団のコラボレーションによるコンサート「出羽三山シンフォニー」
【食文化ツーリズム賞】TOYOURA世界ホタテ釣り協会=TOYOURA世界ホタテ釣り選手権大会▽日本酒蔵ツーリズム推進協議会=「晴レの酒、花の宴。」日本酒蔵ツーリズム推進事業▽しもきたTABIあしすと=ジオ・ガストロノミー・ツーリズム