
デュシタニ京都、京都観光モラル優良事業者に
地域と調和した取り組みが評価
デュシタニ京都は3月28日、令和6年度の「京都観光モラル優良事業者」として京都市及び公益社団法人京都市観光協会から表彰された。開業から1年余りで受賞した快挙だ。
受賞の背景には、同ホテルの地域社会との調和や環境保全への取り組みがある。特に注目されたのが、「デュシット・ファーム」と呼ばれる独自の畑での循環型農業の実践だ。ここでは、ホテルの調理廃棄物を肥料として再利用し、フードロスの削減と地元農業の支援を同時に実現している。
さらに、京都府宇治市和束町にある自社茶園「デュシット・ティー・ガーデン」では、有機茶葉の栽培に加え、茶摘み体験を通じてサステナブルな農法を学ぶ機会を提供。栽培した茶葉を使用したスイーツを館内で提供するなど、地産地消の推進にも力を入れている。
地域活動への参加も積極的だ。防災活動や環境美化活動に加わり、観光と市民生活の調和を促進。これらの取り組みは、デュシット・インターナショナルのブランドビジョンである「質の高いサービスを通じた地域文化・コミュニティへの貢献」を体現したものと言える。
デュシタニ京都の山下誠総支配人は「開業から1年余りで、京都の持続可能な観光産業を担う一員として、このような表彰を受けたことを大変光栄に感じております」とコメント。タイ発祥のブランドとしての特色を生かしつつ、地域との深い関わりを大切にする姿勢を強調した。
同ホテルは、サステイナビリティ、ローカリティ、サービス、ウェルビーイングを4つの柱に掲げ、「デュシット・グレイシャスネス(温かいおもてなし)」を軸とした独自のサービスを展開している。京都とタイの文化融合を目指し、タイの無形文化遺産「ソンクラーン祭」を祝うイベントや、タイスパイスと京都の食材を使ったアフタヌーンティーなど、特色ある文化体験を提供しているのが特徴だ。
こうした取り組みは業界からも高く評価されている。2024年7月には、ミシュランガイドが選ぶ「特に優れたエクスペリエンスを提供する」宿泊施設として「ミシュランキー」を獲得。2025年2月には「フォーブス・トラベルガイド2025」のホテル部門で4つ星を獲得した。