ホテル・旅館専門の総合エンジニアリング会社のタップは、「宿泊・観光DX事業部」を4月に立ち上げた。コロナ禍で社会が大きく変わり、デジタル化が急速に進む中、宿泊業の生産性向上と顧客体験価値(CX)向上のための「ホテルDX」推進と、地方創生・地域活性化に寄与する「地域観光DX」推進に取り組んでいる。
パナソニック、日立、三菱電機、ソニー、ソフトバンク、LINE、ジョルダンなどのテクノロジー企業と連携。IoT、ロボティクス、AIなどのデジタル技術を宿泊施設と観光地域の「安心・安全・清潔・エコ・コンビニエンス」に生かしていく。
兵庫県豊岡市の助成を受けた城崎温泉をサポートする形で地域観光DXの第1弾に着手。約40軒の旅館ホテルのPMS(ホテルシステム)を接続し、地域DMOで全体の予約動向や収益予測などを把握し、マーケティングに生かす「エリアPMS」を構築した。今夏に稼働を開始。城崎温泉は、観光DXの先進モデル地域の一つとして注目を浴びている。
エリアPMSには、タップ以外のシステムベンダーが提供するPMSも接続。PMS未導入だった施設には、同社の小規模宿泊施設向けシステム「accommod(アコモド)」を導入した。廉価版システムだが基本性能はタップシステムと変わらない。
タップシステムの導入施設は、帝国ホテル、アパホテル、星野リゾートなどホテルが中心だが、銀水荘などの旅館ユーザーもいる。アコモドは特に旅館ユーザーに向けて改修中で、11月末の完成を予定している。旅館が使いやすく、安価で高性能なPMSとして、地域観光DXの横展開に活用していく。
城崎温泉(写真提供:豊岡市)