ツーリズムEXPO 大阪で4年ぶり開催  4日間で延べ14万8千人来場


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関西から活性化の流れを

 「世界最大級の旅の祭典」ツーリズムEXPOジャパン2023(主催=日本観光振興協会、日本旅行業協会、日本政府観光局)が10月26~29日、インテックス大阪(大阪府大阪市)で開かれた。コロナ禍で21年は延期、大阪では19年以来4年ぶりの開催。世界70の国と地域、1442の企業・団体が出展し、4日間で延べ14万8千人が来場した(速報値)。世界10カ国の観光大臣らが出席した観光大臣会合や⽇本国内の観光関係団体・企業と海外の旅⾏会社による商談会「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート」など各種プログラムも展開。主催者は「アジアのゲートウェイ関西から新たな日本のツーリズムを国内外に発信、活性化につながる大きな流れを巻き起こす」と、未来の観光産業に向けた挑戦を誓った。

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 10月26日に開かれたオープニングセレモニーでは、日本観光振興協会の山西健一郎会長、日本旅行業協会(JATA)の髙橋広行会長、日本政府観光局(JNTO)の蒲生篤実理事長の主催3団体のトップのほか、来賓として石塚智之国土交通審議官、国土交通省近畿運輸局の日笠弥三郎局長、大阪観光局の福島伸一会長、国連世界観光機関(UNWTO)のゾリティサ・ウロシェヴィッチエグゼクティブ・ディレクターらが出席し、4年ぶりとなる大阪開催を祝った。

 山西会長は「約500日後に大阪・関西万博を控えた重要な時期。完全復活した日本の観光産業の元気な姿や旅の未来像を世界に向けて発信する絶好の機会だ」と力強く開幕を宣言。また、急速なインバウンドの回復、物価高騰によるアウトバウンドの大幅な回復の遅れなどの日本の観光情勢に触れ、「今回も多くの国・地域の皆さまに出展いただいている。国内、海外に旅行することの楽しさを体感していただき、アウトバウンド復活の足がかりを目指す」と意気込んだ。

 来賓あいさつした石塚国交審議官は「今年9月の訪日外国人旅行者数は19年比96%で回復、出国日本人者数も57%と改善傾向がみられるが、今回のイベントは観光需要のさらなる改善への起爆剤になると考えている」と期待をふくらませ、今年3月に閣議決定された観光立国推進基本計画を軸に観光立国への復活に向けて前向きに取り組む姿勢を見せた。

 UNWTOのウロシェヴィッチエグゼクティブ・ディレクターは「日本の観光産業は経済の欠かせない原動力。特に大阪からは観光の強い回復力、観光客を出迎える強い決心が明確に見て取れる」とコメント。さらなる回復力、未来に向けた新たなアイデアやイノベーションの必要性を示した上で、「今こそ大阪を皮切りに計画を実行に移すべき時だ」と日本の観光業界に期待を込めた。

 続く主催者会見では、主催3団体が開催概要や見どころを紹介。JATAの髙橋会長は若年層を対象とした入場無料施策や旅行企画の実施、日観振の最明仁理事長はエシカルトラベルや観光SDGsなど新しい旅のスタイルをテーマとした国内ブース、JNTOの蒲生理事長は4年ぶり完全対面形式となる同社主催の商談会「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート」を紹介。大阪観光局の福島伸一会長からは大阪・関西万博開催に向けて公式グッズや会場建築物を展示した「大阪・関西未来ゾーン」の特徴を説明した。

 広報アンバサダーにはNMB48の小嶋花梨さん、出口結菜さん、塩月希依音さんが就任。「私たち活動拠点でもある大阪で精一杯盛り上げたい」とコメントした。

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 26日夜には業界関係者参集のもと、オープニングレセプションが開かれた。

 冒頭、JNTOの蒲生理事長が「数年間にわたる困難を乗り越え、ここ大阪に皆さまとともに集結できてうれしく思う。アジアのゲートウェイである大阪から世界に向けて新しい日本の魅力を発信していく」とあいさつ。

 会場には菅義偉前首相も来場。「コロナが明け、インバウンドはV字回復傾向にある。観光を通じて言語を超えて相互理解を深めることは国家間の平和的な関係の強化にもつながる。本イベントがわが国の観光の起爆剤になるだけではなく、国際的な訪日交流の強化につながることを祈る」と鼓舞した。続いて来賓あいさつした二階俊博衆議院議員は「観光はもとより平和産業。観光を通じて世界の平和のために貢献できるように精進したい」と力強く語った。

 開催地あいさつでは吉村洋文大阪府知事が登壇。吉村知事は「観光は国、人種、言語を超える非常に力があるもの。大阪をはじめ日本の魅力をさらに伸ばしていきたい」とコメントした。

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 閉会式には主催者と出展者代表がステージに登壇。各地のご当地キャラクターも勢ぞろいし、「来年は東京で会いましょう」と、来年9月26~29日に東京都で開催の同イベントでの再会を呼び掛けた。来場者によるブースの人気投票「ブースグランプリ」の発表、表彰式も行い、最高賞のグランプリは業界日(26、27日)の投票で台湾観光協会、一般日(28、29日)の投票で韓国観光公社が受賞した。

 ブースグランプリは今年から審査項目に加わった「SDGsへの取り組みが行われていたか」など五つの基準で来場者による投票で決定。準グランプリ、特別賞、実行委員会賞を含めて延べ8団体が受賞した。グランプリ以外の受賞者は次の通り。

 準グランプリ・業界日=韓国観光公社▽同・一般日=台湾観光協会▽特別賞・業界日=嘉手納町▽同・一般日=沖縄県うるま市▽実行委員会賞・業界日=JTB▽同・一般日=サウジアラビア政府観光局同・一般日=沖縄県

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