家具・インテリア製造販売最大手のニトリホールディングス(HD、北海道札幌市)はこのほど、北海道小樽市の高級老舗旅館「銀鱗荘」を取得。20日から子会社のニトリパブリックが従業員約40人の雇用を引き継ぎ、運営を始めた。ニトリが宿泊業を手掛けるのは初めて。
銀鱗荘は、1873年に後志管内余市町に建てられた網元のニシン御殿が発祥で、1939年に小樽港東端にある海抜60メートルの平磯岬に移築され、料亭旅館として開業。その後、増改築や温泉掘削を行い、高級温泉旅館として営業していた。
鉄筋コンクリート一部3階建ての本館と同5階建ての新館からなり、延べ床面積は約3千平方メートルで宿泊室は14。フランス料理のレストランも併設している。
客室や露天風呂から石狩湾が一望でき、重厚な瓦ぶきの屋根など内外装に明治期の雰囲気が残り、外国人観光客に人気がある。宿泊料金は2人1室利用(朝夕食付き、税込み)で1人3万5千円から。
ニトリHDでは、所有者の観光レジャー開発会社(東京)から購入の打診があり、本業と違うことから断っていたが、歴史的建造物を守る社会貢献の一環として6月末に土地と建物を取得した。取得費は非公開。
引き続き、高級路線の宿泊施設「銀鱗荘」として運営し、保存につなげるとともに、日帰り利用や建物の一般公開など多くの人が利用できるサービスや、2016年に小樽運河そばに開設した「小樽芸術村」との連携なども検討し、観光振興に寄与していきたいとしている。
ニトリが取得した小樽の老舗旅館「銀鱗荘」