家具・インテリア製造販売大手のニトリ(本社・札幌市)は4月28日、北海道小樽市に設置している小樽芸術村に4番目の施設となる「西洋美術館」を開館した。
観光名所の小樽運河沿いにある市指定歴史的建造物「旧浪華(なにわ)倉庫」(1925年建築)を昨年9月に取得して改修。主に19世紀末から20世紀初頭に製作されたステンドグラスやアールヌーヴォー・アール・デコのガラス作品、陶磁器、家具など約600点を六つのコーナーに分けて展示。優美な曲線と装飾が特徴の当時の家具が多数集められ、フランソワ・リンケの椅子やテーブル、キャビネットなどで再現した部屋の展示もあり、人気を集めそうだ。
開館セレモニーではニトリホールディングスの似鳥昭雄会長が「美術に親しんでもらう場をと小樽芸術村を造ったが、ここに日本初の本格的な西洋美術館を開業できてうれしい。今後は日本の過去から現代までの作品を集めた美術館も考えていきたい」とあいさつ。北海道の浦本元人副知事や小樽市の迫俊哉市長、札幌市の秋元克広市長らも出席し、テープカットで開館を祝った=写真。
小樽芸術村は、2017年9月にオープン。ニトリが小樽運河地区の歴史的建造物を取得・改修して、似鳥美術館(旧拓銀小樽支店・1923年建築)、ステンドグラス美術館(旧荒田商会・1935年建築、旧高橋倉庫・1923年建築)を開設するとともに、国の重要文化財に指定された旧三井銀行小樽支店(1927年建築)の公開などを行い、コロナ前には年間25万人が訪れた人気スポットとなっている。
開館は5~10月が午前9時半から午後5時で、無休。11~4月が午前10時から午後4時で、水曜と年末年始休館。