
渡邊隆社長
集客部門の人手不足を解消 売上増と利益率改善にも寄与
株式会社ハイパークリエーション東京(東京都千代田区)は、宿泊施設のホームページ(HP)やOTAなどのWEBによる集客支援を展開する。人手不足が深刻な状況の中、同社のサービスを頼る宿泊施設は多く、導入実績は全国で延べ400軒以上だ。同社が支持される理由や、サービスの概要などを代表取締役の渡邊隆氏に聞いた。
――事業を立ち上げた経緯ときっかけを。
「今まで旅行会社とOTAに勤務し、宿泊施設の集客に携わる業務を多数手掛けたが、施設は施策を考えて実際に動ける現場があまりにも少ないと思い、その業務を支援する必要性を感じた。15年前に起業したが、遠隔での業務が可能な環境が整ったことも大きい」
――旅館・ホテルの現状をどう捉えているか。
「宿泊業は飲食業同様、人手不足率が全業界別で極めて高いうえ、新たな人手の確保も難しく離職率も引き続き高水準だ」
さまざまなサービスを宿泊施設に提供しているが今、最適と思われるサービスは。
「OTAなどのWEBによる集客支援だ。乱立するOTAをはじめWEB集客の術がこれだけ進化すると、自力でどこまで業務を行うかの判断は難しい。これまで『外部委託』は敬遠されがちだったが、専門性が高いがゆえの集客増に加え、何よりその部門の人手をカバーできる。そのため売上増とともに利益率が大きく改善したという声も多く聞く」
――宿泊施設から評価されているポイントは。
「OTAの販促(特集やキャンペーン、広告など)への参画判断だ。結果につながらない安売りや費用は抑えるべきだが、逆に裏付けをもって参画を提案することもある。また、この1~2年で手数料が増大したOTAも目立っており、ただ言われるがままいつもの内容で企画に乗るのではなく、しっかりと毎回の効果検証を行うべきだ」
「当社は、担当が宿泊施設へ定期的に直接出向いて打ち合せをし、加えて日々のメールや電話でやりとりを行う。作業スタッフも数多く控えており、作業完了までの動きが迅速と評価されている」
――具体的な実績は。
「最も大きな成功事例の一つは、関西にある約40室の温泉旅館。代替りの過渡期に団体客からWEBによる個人客を重視した戦略に変更。HPと、OTAページを刷新し、さらに口コミ内容をもとにした満足度向上策を施した結果、単価が約1万2000円から2万円へ上昇。売り上げは2.5億円から5.6億円に大きく拡大した」
――新サービスのリリースを予定している。
「施設のオリジナル商品のEC支援だ。実際に複数施設から相談があり今年中に稼働したい。おせち料理や地元で採れた山海の幸、クリスマスケーキや洋菓子のほかコスメ類など。物販が稼ぎのチャネルに加われば、短期の売り上げはもちろん、中長期的なブランディングにも寄与できる」
――最後に宿泊施設にメッセージを。
「当社のようなサービスの導入にはハードルが高いとは思うが、課題を解決できるかどうかの相談レベルでも構わないので、気軽に問い合わせてほしい」
問い合わせ先は、ハイパークリエーション東京TEL03(5829)8515。
渡邊隆社長
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